20万円の携帯電話に申し込み殺到! 90年代「世界最小・最軽量」で売れまくったムーバを覚えていますか?

今や生活必需品となった携帯電話。90年代中期にその盛り上がりを支えた「ムーバ」について、20世紀研究家の星野正子さんが解説します。


世界最小・最軽量、ド級のインパクト

 1994(平成6)年4月、そんな携帯電話の世界に激震が走りました。NTTが市場に投入したムーバです。携帯電話の歴史を変えたムーバは

・NEC
・富士通
・三菱電機
・松下通信工業(現・パナソニックモバイルコミュニケーションズ)

の4社がNTTと共同開発したもので、それぞれ「ムーバN」「ムーバF」「ムーバD」「ムーバP」の名称が付けられていました。

ムーバN、ムーバF、ムーバD、ムーバP(画像:NTTドコモ)

 話題になった理由は、ずばり大きさです。

 ムーバの重さはそれぞれ220~250g。660gあったそれまでの携帯電話と比べて、重さは3分の1程度。世界最小・最軽量の携帯電話でした。まさしく「本当に携帯できる携帯電話」といえる存在です。

 便利なのは持ち運びだけではありません。100人分の電話帳を登録し、リダイヤルできる機能も付いていたのです。

月産生産量の7倍以上のオーダー

 NTTが自信を持って市場に投入したムーバでしたが、前月の3月に申し込みを開始すると大騒ぎに。なんと3月29日までに、メーカー各社を合わせた月産生産量は7000台が限界にもかかわらず、申込数が5万件を突破したのです。

 予約待ちが必至と報道されたことで、申し込みがさらに殺到します。供給が間に合わないと判断したNTTでは4月1日のサービス開始を同月26日まで延期。メーカー各社も増産体制を取りますが、入手できるのは6月とも夏ごろともうわさされていました。

平成時代の携帯電話(画像:写真AC)

 もちろんテレビCMも打ち切りです。それでも予約の波は治まらず、6月になると申し込みだけで17万件を到達。それまでの携帯電話の加入件数が26万件だったことを考えると、とんでもない数字でした(『読売新聞』1991年6月11日付朝刊)。

 しかも、この頃は買い切り制がまだ導入されていなかったため、契約料金も高額です。新規加入料・保証金2年分・充電器セットで17万9800円。ここに任意の保険も入るので、計20万円くらいになりました。このようなことからも、世界最小・最軽量が当時どのくらいインパクトのあることだったかが、よくわかります。

軽量化戦争は再燃するか


【画像】80年代「ショルダーホン」を見る

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