世界的ブームを巻き起こした「数独」 あまりの人気にスペインでは「出生率低下」を不安視されていた!

数字パズル「数独」の名付け親・鍜治真起さんが8月10日、亡くなりました。ということで、今回は数独が世界的な人気を誇るまでの道のりをご紹介。フリーライターの金平奈津子さんが解説します。


数独本の誕生は1988年から

 数独の元ネタは「ナンバープレース」です。こちらも今では多くの愛好者がいるものの、当時の日本では未知のパズルでした。

 もともと18世紀にスイスで考案されたと言われるナンバープレースは、アメリカではパズル雑誌の定番でした。クロスワードと違って、英語がわからなくても誰でも解けるため、紹介すれば面白いだろうと鍛冶さんは思いつきます。

「ニコリ」のウェブサイト(画像:ニコリ)




 こうして「パズル通信ニコリ」に登場したナンバープレースですが、鍛冶さんはこのとき「数独」という名前を付けます。意味は「数字は独身に限る」というもの。「独身」とは1から9までの1ケタの数字を見立てた名称です。

 数独はたちまち人気となり、1988(昭和63)年にパズル本『数独1』を刊行、これもシリーズ化されます。

イギリスで大ブームに

 ただ人気とはいえ、あくまで日本国内の話。それが世界的なブームとなったのは2004(平成16)年でした。

 同年11月にイギリスの新聞『タイムズ』が数独を採用。きっかけとなったのは、香港在住のウェイン・グルードさん。グルードさんは、日本で偶然見かけた数独を『タイムズ』に売り込みました。

 当初はそんなに人気になるとは思われていなかったようですが、掲載から間もなく読者からの熱い反響の声が寄せられます。これを気に『タイムズ』は連日数独を掲載するようになります。グルードさん自身もその後、パズル制作者としてイギリスでパズル本を出版し、大人気となっています。

イギリスのロンドン市街(画像:写真AC)

 これを見たイギリスの新聞各紙では「Sudoku」が大ブームになります。『タイムズ』のライバル『ガーディアン』はニコリと契約を結び、自分たちこそ本家だとして、連載を開始。

 また『インディペンデント』もパズル制作者を見つけて連載を始めます。さらに『デイリー・テレグラフ』『ミラー』『サン』と、イギリスの新聞は高級紙からゴシップ紙まで、経済専門紙の『ファイナンシャルタイムズ』を除いた媒体がSudokuを毎日掲載するという空前のブームが到来します。

 その人気たるや、イギリスのテレビ局が2005年7月、Sudokuの実況中継番組を放送するほどでした。数独の実況中継とはどんな番組だったのか気になりますが、当時の資料によれば、ゲストに有名人やタレントを招き、賞金2万5000ポンドをかけてパズルに挑戦する視聴者参加型の番組だったそうです。

 現在の日本円換算で約300万円ですから、かなり気合の入った金額です。なお新聞各紙もパズルに賞金をかけることが当たり前になっており、人気を過熱させていました。

いつまでも古びない「暇つぶし」


【画像】イギリスの新聞にも載った「数独」

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2021/08/210818_sudoku_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/08/210818_sudoku_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/08/210818_sudoku_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/08/210818_sudoku_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/08/210818_sudoku_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/08/210818_sudoku_05-150x150.jpg

おすすめ

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画