【戦後76年】「兄ちゃんはお星様になって」24歳の特攻隊員、戦地から“妹”へ送った遺書と「お人形」

2021年8月15日、終戦の日。先の大戦で命を落とした多くの人々に思いをはせる日です。ノンフィクション作家の合田一道さんが、24歳で戦死したある特攻隊員の“遺書”とそれが書かれた背景について紹介します。


人形を死地へ連れて行かなかったワケ

 この滞在中に千鶴子ちゃんは、母トキさんが縫い上げてくれた人形を、安原少尉に贈ったのです。「私の一番大事なもの、あげる」とでも言って手渡したのでしょう。

 同宅での最後の日に、晩餐会を開いてもらい、石垣基地へ移りますが、その直後に千鶴子ちゃんに出したのが前掲の便り。続いて出撃命令が出た前夜の3月28日に、人形を添えた後の便りを書いた、これが絶筆となったのです。

 安原少尉は最初、人形も便りとともに死地へ連れていくつもりでしたが、人形そのものが千鶴子ちゃんに思えて、連れていくのをためらった。

 そこで人形に「みんなを慰めてくれてありがとう」と礼を述べ、「誰も居なくなったら、花蓮港のお母さんの処へ帰って 可愛がって貰ひなさい」と書いて、トキさんの元へ送り返した――。そう思えてならないのです。

 トキさんは、出撃した後に安原少尉から届いた便りを読み、その心情に思いをはせつつ、前に届いた便りと人形を併せて「遺書・遺品」として靖国神社に納めたのです。

 手作りの人形は76年たったいまも、特攻隊員たちの霊を慰めるように、安置されています。


【画像】靖国神社に納められた「遺書」と「お人形」

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