DaiGo騒動に非難集中 街のホームレスを「異質」と見なすノリの耐えられない軽さ
2021年8月13日
ライフ「ホームレスの命はどうでもいい」「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」。メンタリストのDaiGo氏の発言が世間の厳しい批判を受けています。弱者や異質なものを排除する思想はしかし、彼固有のものなのでしょうか。ルポライターの昼間たかしさんが東京の街角を舞台に考えます。
身近なところにひそむ排除の理論
多くの人が集い、暮らすために、自然と生まれる雑然とした空気。それこそが東京の魅力です。
ゆえに東京の街としての魅力の背景には、「多様性」とか「寛容」といった高尚な言葉を用いずとも「人は人」「弱い人には優しく」という当たり前の意識があったはずです。
しかし、今や東京のみならず社会全体が、そうした当たり前の意識を手放し他人や弱者への厳しい独善性を是(ぜ)としようとしているかのように感じられます。
当サイト(アーバン ライフ メトロ)に寄稿する記事では「東京」をキーワードに興味深い人物や街の出来事を数多く取り上げています。そうした記事を書くために筆者は、新型コロナ禍でも感染に注意を払いつつ資料を集めたり、街の様子を見に出かけたりしています。

その中で気付くのは、東京が全国に先駆けて、街の魅力の源泉である雑多な雰囲気を失いつつあるということです。
雑多な雰囲気というのは、街の光と影の部分がどちらも存在して初めて生まれるものです。ところがこの20年余り、街は誰が言い出すでもなく「ふさわしくないものを排除してキレイな街をつくろう」という意識へと移行を遂げてきました。
「排除」というのは、問題を解決することではなく、とりあえず目の前から消してしまえばいい、という意味です。
そのひとつの具体例が、今や東京のあちこちで見られる「排除アート」と呼ばれるものでしょう。
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