2020年入学「都内大学生」の本音レポ コロナ禍の1年、ぶっちゃけどうだった?

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2020年入学「都内大学生」の本音レポ コロナ禍の1年、ぶっちゃけどうだった?

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新型コロナウイルス感染拡大のなか、2020年に東京の大学に入学した学生たちはどのように過ごし、どのような気持ちを抱いたのでしょうか。当事者がつづります。

想像していた大学生活とは程遠かった

 2020年、私は東京の大学へ進学しました。私の想像していた大学生活は、

・新しい友人と出会い、授業やサークルを楽しむこと
・さまざまなアルバイトに挑戦すること
・ずっと夢だった海外旅行に行くこと

でした。しかし、実際に過ごした1年間はそれとは程遠いものでした。

大学の教室のイメージ(画像:Pixabay)



 まず、初めて大学に足を踏み入れたのは、入学から3か月たった7月下旬の健康診断でした。自宅でずっとオンライン授業を受けていたため、知り合いは全くいない状態。そのため、右も左も分からず、誘導されるがまま淡々と作業をこなすように行いました。

 私は教員免許の取得を考えています。学校には9月下旬の後期授業が始まったと同時に週3回通えるようになったものの、1日1コマ。もちろん、ほかの授業はオンラインのため、教職の対面授業とオンラインで行われている少人数の授業との差は何なのか、疑問を抱いきました。

 対面で行う授業は、オンラインでは分からない先生の表情を読み取れたり、授業の前後に分からない部分を質問できたりと、これまでよりも有り難さを感じ、ひとつひとつの授業を大事に取り組みました。

 しかし、同時に不安も抱えていました。

バイトの面接すら受けられない状況

 私は飲食店のアルバイトをしていましたが、お店が休業になることも、人件費削減のため週に2時間しか働けないことも当たり前になりました。

 初めて緊急事態宣言が発令されたときは休業手当てが出ましたが、現在は勤務時間が減らされても手当ては出ません。そのため、収入は激減しました。

 新しくアルバイトを始めようとしましたが、飲食店に限らず、塾もアパレルも何もかもコロナの影響で、面接さえ受けさせてもらえませんでした。

アルバイトのイメージ(画像:Pixabay)



 また、入学してからずっと不安だったのは人との関わりでした。

 授業の履修も手引きがPDFで送られてきただけで、全く理解できませんでした。しかし、誰も相談する人がいない状態。授業のリポートについて疑問があるときや、通信環境で授業に参加できなかったときも、頼れる人はいません。

 遊びも同様です。大学で友人がいないため、何かを一緒に楽しむ人がいません。「若い人がウイルスをまん延させている」といったニュースを見たときは、同年代の間で憤りを感じている人が多かったです。私たちは外出を自粛しているのに――と。

 また、先生や先輩といった年上の人から刺激をもらい、何かに挑戦する機会も全くありませんでした。私自身、自分が無知であることは知っていて、何かに挑戦したい状態でも、その知識すら得る場がありません。人と関わる場面が減り、そもそも何をしたいのか、どうやったらできるのかという情報も得られませんでした。

 最後は収入の激減について。前述のようにアルバイトは思うようにできず、実家暮らしであるものの、自身にかかる費用はなるべく自腹で支払っていたため、生活の苦しさを感じました。新しい職も手にできず、同時に母も同じ状態だったため、家族全体で不安を抱いていました。

今だからできることを考え始めた

 このように、不安は絶えず、やる気も起きない状態が続きました。そして、なされるがまま現状に身を委ねていました。

不安にさいなまれるイメージ(画像:Pixabay)



 しかし、淡々と課題をこなし、ずっと自宅に引きこもっている生活でいいのか、ふと考えるようになりました。夢見て大学へ進学を決めたことを思い出し、今だからできることを考え始めました。

 始めに行ったのは、大学で開催していた他大学とのディスカッションに応募したことでした。ある講義を履修する1年生ひとりのみ選ばれ、先生と他大学生ふたりと計4人で行われるものでした。

 先生との面談の結果、無事に選ばれ、実際にZOOMとYouTube配信で多文化共生についてディスカッションを行いました。そのなかで、それぞれの文化の背景にあるさまざまな生き方を知り、私も枠にとらわれず挑戦したいと思うようになりました。

 そして次にZOOMで多くの人と話すことを始めました。コロナにより普及したZOOMをうまく活用し、Twitterや人とのつながりを経て、年齢や土地にとらわれず、さまざまな人と話すことで刺激を受けて知識を得ました。

 また、インターンに挑戦することに。将来就きたい職業も明確でなかったため、10社程話を聞いてみました。具体的に何をしているのか、どのようなビジョンを持ち、どのような人が働いてるのかを知るなかで、自身が興味がある分野、譲れないものが分かるようになりました。現在、そのなかの1社でインターンを行っています。

不安なのは私だけではない

 新型コロナウイルスが感染拡大してから、今まで思うように行かないこともたくさんありました。もちろん、今でも悩みは尽きません。

 しかし、ZOOMで多くの人と話し不安なのは私だけではないことや、インターンを通じてそのなかでもできることはあふれていると知りました。

明るい将来のイメージ(画像:Pixabay)

 大学へ授業料の返還を求める動きがニュースになることもありますが、それも現状でできることのひとつです。不満を抱けば、それを訴え、変わるかもしれません。

 まず1歩踏み出してみること、それが大切であると実感した1年間でした。

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