奇才・椎名林檎の1stアルバム『無罪モラトリアム』 曲順通りに聴くと浮かび上がる“メッセージ”とは

1998年のデビュー以来、四半世紀近くにわたって常に時代のトップを走り続けてきた奇才、椎名林檎。彼女の目に映る「東京」という街は、この間どう変化してきたのでしょうか。音楽ライターの松本侃士さんが歌詞を読み解きます。


東京の混沌をみずから体現「歌舞伎町の女王」

「上京」をテーマとした「正しい街」とは異なり、この楽曲の歌詞はとてもフィクション性が高いですが、混沌(こんとん)とした「東京」の街について歌っている点は共通しています。

 ちなみに、この楽曲の後半に登場する<「一度栄えし者でも必ずや衰えゆく」>という言葉は、「丸の内サディスティック」の中の<盛者必衰>という歌詞に通じています。

椎名林檎が2ndシングルの題材に選んだのは新宿・歌舞伎町だった(画像:写真AC)

<「一度栄えし者でも
 必ずや衰えゆく」
 その意味を知る時を迎え
 足を踏み入れたは歓楽街>

<JR新宿駅の東口を出たら
 其処はあたしの庭
 大遊戯場歌舞伎町>

 アルバムの冒頭から「正しい街」「歌舞伎町の女王」、そして「丸の内サディスティック」を通して聴くことで、上京してきた者の目に映る「東京」という街のイメージが浮かび上がってくるはずです。

 このアルバムがリリースされたのは1999年であり、すでに四半世紀近い月日が経っていますが、これらの楽曲が映し出した「東京」観と、その街で懸命に生きようとする各楽曲の主人公の心情は、今から振り返っても決して古びることはないでしょう。

 このように椎名林檎は、「東京」の街を舞台とした1stアルバムを発表した後も、長い音楽家としての活動の中で、いくつもの「東京」に関する楽曲を発表してきました。

20年超の活動で見えた「東京」への視座の変化


【いくつ言える?】椎名林檎の歌詞に登場する「東京の路線」

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