「日本橋三越」「伊勢丹新宿」再開発へ 未来の姿を大胆予想、ヒントは高島屋と大丸にあった?

先日、再開発計画が発表された日本橋三越本店と伊勢丹新宿本店。いったいどのような形へと変貌するのでしょうか。都市商業研究所の若杉優貴さんが予想します。


百貨店の再開発、近年の例を見る

 それでは、このふたつの百貨店はどういったかたちでの再開発が想定されるのでしょうか。計画の詳細についてはまだ発表されていないものの、「近年再開発を行ったほかの老舗百貨店」にヒントがありそうです。

 近年再開発を行った老舗百貨店のうち、日本橋三越本店と同じく国の重要文化財に指定された本館を持つのが、2018年9月に全面リニューアルした日本橋高島屋(中央区日本橋)です。

 同店は重要文化財となっている1933(昭和8)年築の現本館の躯体を損なうことなく、三井不動産(同区日本橋室町)などの参画により、同店に隣接していた別館や駐車場などがあった場所を再開発し、新館と東館を建設。高層階はオフィス、低層階は100店舗以上のテナントが出店する「日本橋高島屋 S.C.(ショッピングセンター)」となりました。

再開発で新館(写真左奥)を建設、本館と接続した日本橋高島屋 S.C.。新館には多くの専門店が出店、高層階はオフィスとなっている(画像:若杉優貴)

 日本橋三越本店も日本橋高島屋と同様、国の重要文化財となっている本館に隣接して南側に「新館」が立地しています。新館の正面部分(日本橋側)は2004(平成16)年築と新しいものの、西側は低層の立体駐車場となっています。そのため、次の再開発では日本橋高島屋のように、本館以外の建物を建て替えて高層階をオフィス、低層階を売り場とする可能性が高いでしょう。

大丸心斎橋店というヒント

 それでは、伊勢丹新宿本店はどうでしょうか。伊勢丹も隣接して伊勢丹メンズ館や伊勢丹会館など複数の建物があるため、本館に手を付けることなく隣接する建物のみを再開発することも可能です。

 しかし、同店は日本一の売り上げを誇る百貨店である上、内装に建築当時の面影は少なく国の文化財などにも指定されていないため、さらに大規模な再開発を行うことも容易と言えます。

 そこで思い出されるのが、1726(享保11)年に開店した関西屈指の老舗であり、再開発により2019年9月に新たな建物での営業を開始した大丸心斎橋店(みせ、大阪市)です。

2019年に新たな建物となった大丸心斎橋店。外装は以前のイメージのまま「高層階を上に載せた」ような建物に。内装も一部が復元されている(画像:若杉優貴)

 大丸心斎橋店の旧本館は1922年築。アメリカ人建築家・ヴォーリズの手による内外装は芸術的に高い評価がありましたが、空襲の際に高層階が焼失したこともあり、建物は文化財には未指定。

 大丸最大の売り上げを誇る旗艦店としては売り場面積が狭かった上、老朽化が進んでいるとして、正面部分の外壁を残して解体、旧店よりも高層の新たな建物を建築することとなりました。新しい建物は1階を中心に旧店舗の内装部材が多く用いられたほか、すでに失われていた装飾を復元した部分も見られます。

 このように、伊勢丹新宿本店についても大丸心斎橋店に倣って、シンボリックな外壁デザインを残したまま内部を解体して新たな建物を建設することになるかも知れません。

再開発は「10~20年後の将来に向けたもの」


【画像】隈研吾プロデュース「日本橋三越本店」の内装

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