鬼滅「遊郭編」放送で吉原は観光地になるか? 伝説の昭和「花魁ショー」を手掛かりに考える

『遊郭編』2021年放送も決定し、再び話題となっている『鬼滅の刃』。その舞台である吉原遊郭の歴史について、ルポライターの昼間たかしさんが解説します。


はとばす開催の「夜のお江戸ツアー」

 とはいえ、吉原が観光コースとまったく無縁だったわけではありません。吉原を絡めた観光として長く親しまれたのが、かつて吉原にあった料亭・松葉屋で開かれていた花魁(おいらん)ショーです。

 松葉屋では1953年から吉原芸者の座敷芸とたいこ持ちのショーを組んでいましたが、時代の変化とともに新たなスタイルに変化。作家・久保田万太郎の助言を得て1958(昭和33)年に花魁ショーを始めました。

現在の台東区千束と明治初期の吉原(画像:国土地理院、時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」〔(C)谷 謙二〕)

 このショーは評判となり、始まりから数年後にはとバス(大田区平和島)の「夜のお江戸コース」に組み込まれて大人気となりました。久保田万太郎は浅草生まれの粋人として知られていたため、このショーは昔の吉原をしのぶことができると評判になりました。

 花魁は坂東流・花柳流・藤間流と、日舞各流派の名取で、その象徴ともいえる黒げたは高さ30cm・重さ7.5kg、かつらは7.5kg、衣装はすべて合わせて15kgでした。

 そんな衣装を身につけた花魁が、日本舞踊家・猿若清方(さるわか きよかた)振り付けの踊りを見せ、客のひとりを舞台に上げて杯事と吸い付けたばこのやりとりをしていました。衣装も11月の酉(とり)の市から翌年5月までが冬、6月と10月が合い、7~9月が夏と季節において変わったため、リピーターも多かったようです。

 大いににぎわったこのショーですが、1990年代に入ると客足が低迷、松葉屋の建物が老朽化したこともあり1998(平成10)年2月末で終了しました。終了後、松葉屋では台東区民を無料招待して10日間のショーを実施し、大いににぎわいました。

 また終了を残念がる声に対して、はとバスでは本当に最後となる「夜のお江戸ツアー」を開催、こちらは10日間の運行でバス71台が必要となる大盛況となったのです。

1998年に再現された花魁道中


【画像】吉原にある遊郭専門の書店「カストリ書房」

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