渋沢栄一が「日本資本主義の父」の道を築いた華麗なる「おフランス体験」【青天を衝け 序説】

“日本資本主義の父”で、新1万円札の顔としても注目される渋沢栄一が活躍するNHK大河ドラマ「青天を衝け」。そんな同作をより楽しめる豆知識を、フリーランスライターの小川裕夫さんが紹介します。


フランスで体験した経済システム

 慶喜は、そんな渋沢なら荒ぶる水戸藩出身者の気持ちを理解できるだろうと踏んだのです。水戸藩出身者たちも渋沢の忠言を聞き入れて、短慮は起こさないだろうという読みもありました。

 そうした水戸藩出身者たちの配慮にくわえ、渋沢は会計知識にたけていることも大きな評価ポイントになりました。昭武のパリ滞在は、長期間におよぶことが想定されていました。その間、幕府から滞在費・生活費などが手当てされるわけですが、海外での生活はなによりも費用がかさみます。そのため、しっかりと出納を管理し、無駄な支出を抑えなければなりません。そうした金銭管理に渋沢はうってつけだったのです。

 とはいえ、幕府から送られてくる滞在費・生活費は潤沢ではありません。フランス滞在中の渋沢は、かなり金銭の管理に頭を悩ませたようです。ここで、後に「日本資本主義の父」とも称される渋沢が本領を発揮します。

国債のイメージ(画像:写真AC)

 幕府から支給された滞在費は、長い年月を生活するには決して潤沢ではありません。それでも多くの武士が何か月も滞在するのですから、まとまった現金を持っている必要がありました。

 渋沢は多くの現金を持たされたわけですが、これを使い込むわけにはいきません。かといって、手元に置いていたら紛失や盗難というリスクは高まります。不意のアクシデントに備える必要がありました。

 手元にある莫大(ばくだい)な滞在費をどうするか? 渋沢は悩んだ末にフランス政府から派遣されていた世話係に相談。すると、「まとまった金があるなら、年率4~5%の利子がつく国債や鉄道公債を購入するのがよい」とのアドバイスをもらったのです。

 アドバイスに従い、渋沢は国債と鉄道国債を購入。これらは帰国時に売却されますが、5~600円ほどの差益を得ました。

 渋沢は国債や鉄道公債を購入したことでその仕組みを知り、銀行や株式取引所が経済上で便利なシステムであることを痛感します。そして、帰国するとフランスで体験した経済システムを構築するべく奔走しました。

約1年半におよんだパリ生活


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