SL保存が大ピンチ! 『鬼滅の刃』登場で再注目も、背後にあった構造的危機とは

『鬼滅の刃』ブームで改めて注目が集まったSL。そんなSLは現在、危機的状況を迎えています。いったいなぜでしょうか。フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。


SLを展示・保存する意味

 それでも、SLの躍動感ある勇姿を目にすると、SLのとりこになる人は多いようです。ゆえに地方路線では観光列車として長らく高い人気を博してきました。

北区王子にある飛鳥山公園で屋外保存されているSL。同公園ではほかにも都電の車両が保存展示されている(画像:小川裕夫)

 名古屋市の河村たかし市長もそのひとりで、2011(平成23)年には市議会でSLの復活運転を表明。2013年には、名古屋臨海高速鉄道あおなみで復活運転を実現させています。

 2013年の復活運転は単発的なイベントでした。河村市長は、毎日とはいかなくても定期的にSLを走らせたいと望みました。そのため、名古屋市科学館に屋外展示されていたSLに着目。これを修理して運行させる計画を立てました。

 長らく屋外展示されていたSLだけに現役の列車として運行するには、いくつものハードルを越えなければなりません。そのため、名古屋市のSL復活プロジェクトは思うように進んでいません。6月23日(水)の市議会では、SL復活プロジェクトが進んでいないことを問いただされ、河村市長は改めて事業計画を説明しています。

 実際に復活運転するかどうかはともかく、SLを展示・保存することは技術を後世に継承することや、子どもたちに科学的な興味を持ってもらうという大きな意味を含んでいます。そうした意味もあり、現役を引退したSLは全国の博物館や公園、学校などに引き取られています。

保存展示の陰にボランティアの存在あり

 東京でも多くのSLが引き取られて、博物館や公園などに保存・展示されています。

 SLを展示保存しているミュージアムとしては、

・東武博物館(墨田区東向島)
・国立科学博物館(台東区上野公園)
・青梅鉄道公園(青梅市勝沼)

などが有名です。

 しかし、そうしたミュージアムのほかにも新橋駅の駅前広場をはじめ、

・飛鳥山公園(北区王子)
・世田谷公園(世田谷区池尻)
・大塚台公園(豊島区南大塚)

といった誰もが自由に利用できる広場・公園にもSLが保存・展示されています。

豊島区南大塚にある大塚台公園に保存展示されているSL。公園からは都電荒川線が走る姿を見ることもできる(画像:小川裕夫)

 SLはデリケートなので、風雨にさらされると車体が退色し、サビだらけになってしまいます。そのため、メンテナンスが欠かせません。美しく保つため、公園や広場などに保存されているSLは、主にボランティアが清掃といった形でメンテナンスを担ってきました。

維持・管理には課題山積


【地図】都内の「SL1スポット」6選

画像ギャラリー

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