学校経営と学生レベルは両立できる? 早大系属校「早稲田実業」が定員削減に踏み切ったワケ

有名私大の定員厳格化で付属校などへ注目が集まるなか、早稲田実業学校がこの度、中高等部の募集定員の削減を決定しました。その背景にあるものとは。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。


ニーズがあるのにあえて削減の意図

 初等部のある早稲田実業学校は初中高大学の一貫教育を掲げていますが、初等部の人数の増減は今のところ発表されていません。そのため、中等部と高等部の定員削減は今まで以上にレベルが高くなり、早稲田ブランドの維持につながります。

 今春の早稲田大学の大学入試は、看板学部・政治経済学部の一般入試の定員削減、数学IA必須で話題を集めました。さらに2022年度入学者試験は文学部が前年より50人、文化構想学部では60人、一般入試での募集人員を削減します。

早稲田大学(画像:写真AC)

 こうした動きは、付属校や系属校からの内進者の割合が増えると捉えられがちですが、早稲田実業学校の方針により、推薦入試組も数年後から徐々に減ることになります。

 定員削減は自ずと、早稲田大学進学者も相対的に減ることを意味しています。しかし、早稲田は拡大路線からシフトチェンジを行い、少子化のなかでも優秀な学生を確保する方向を明確に打ち出しています。

経営か学生の質か

 避けられない少子化を考えれば、定員削減が増えていくのは自然な流れです。その反面、首都圏にある付属校や系列校の生徒がそのまま大学に進学すれば、そのしわ寄せは一般入試組に押し寄せます。こうした問題を解決するためにも、付属校や系列校でも削減を行っていく必要があります。

 安易な定員削減は経営を直撃し、増員も学生の質の低下を招きます。そのため、私立大学のかじ取りは非常に難しいものとなっています。

受験イメージ(画像:写真AC)

 ただでさえ首都圏の私立大学は「ローカル化」が進んでおり、全国各地の多様なバックボーンを持った学生たちを集めることが難しくなっています。

 早稲田実業学校だけでなく、他の付属校や系属校、そして他の大学でも定員削減へと動くのか今後注目が集まります。


【図表】早実卒業生の進学先

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