大震災の前年、宮城出身キャバクラ嬢が「将来の夢」を打ち明けてくれた池袋の夜【連載】東京タクシー雑記録(13)

タクシーの車内で乗客がつぶやく問わず語りは、まさに喜怒哀楽の人間模様。フリーライター、タクシー運転手の顔を持つ橋本英男さんが、乗客から聞いた奇妙きてれつな話の数々を紹介します。


2010年5月、ネオンきらめく池袋の夜

 夜の池袋は都内有数の歓楽街です。何百軒と夜のお店が建ち並び、ネオンのきらめきを放ちながら男女の行く末をうっすらと照らし出しています。

 東日本大震災の前の年でした。5月の金曜日。駅北口で客を降ろし、あふれるような雑踏の中に車はゆっくり動きます。するとすぐ若い女性が手を挙げました。

 長い茶髪にクルクルのパーマを当てて、芸能人みたいに大きな目と派手なお化粧。夜のお仕事の方かな、と想像します。行き先は、環七(環状7号線)の世田谷区内を指定されました。

長い茶髪、芸能人みたいに派手なお化粧。若い女性客が乗り込んできた(画像:写真AC)

「急いで帰りたいので、近い道をお願いします」とのこと。

 ややあってから、

「運転手さん、お仕事大変ですか?」。

 タクシー運転手の仕事にまで気を回してくれる乗客は、そう多くはありません。疲れて乗り込んでくる夜間なら、なおさら。私は何だかうれしい気持ちになりました。

「いやぁ、慣れているから大丈夫ですよ。ありがとうございます」

 すると女性は続けて話し始めました。

「あたしはね、キャバクラで働いているの。……こんな格好してたら分かっちゃうか。実家が貧乏で、高校を出た後は短大か専門学校に行きたかったけど、駄目だった。両親がケンカするときはいっつもお金のこと。それですぐ家を出てひとり暮らししたんだ」

彼女がキャバクラで働く理由


【キャバ嬢1000人アンケート】「ムリな客」の特徴、第1位は?

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