ディスカウント店「ドン・キホーテ」が由緒正しい「八重洲地下街」に出店できた理由
2021年6月10日
お出かけコロナ禍でテナント撤退が相次ぐ東京駅構内の八重洲地下街。そんななか、ドン・キホーテが同所に先日オープン。いったいなぜでしょうか。都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。
八重洲地下街の「救世主」になるか
なぜコロナ禍のなか、ドン・キホーテは東京駅前に出店できたのでしょうか。

ドンキが出店した八重洲地下街が開業したのは1965(昭和40)年6月のこと。東京駅直結という好立地であり、開業直後から多くの客でにぎわいを見せる人気ショッピングスポットとなりました。
この八重洲地下街の一番の特徴は、
・立地の良さ
・店舗数の多さ
です。
店舗面積は約1万5600平方メートル(東京ドームの3分の1)、店舗数は約180店と都内の地下街では最大となっています。
地下街に直結する大手百貨店の大丸が主要株主ということもあってか、駅ビルやファッションビルで見られるようなアパレル店や雑貨店なども多く出店。特にドンキが出店した東京駅八重洲中央口近くは、これまであまり長期の空き店舗が生まれることはありませんでした。
有名チェーン店が相次ぎ撤退
一方、来街者の多くがビジネスや旅行・観光客であったため、新型コロナ感染拡大の影響は大きく、2020年には「45デジタルコンビニ」や「サンドッグイン神戸屋」などが、2021年に入ってからも「Soup Stock Tokyo」「上島珈琲店」「CAFE de CRIE」「杵屋そじ坊」など有名チェーン店が相次ぎ撤退。
新規出店する店舗が全くない訳ではありませんでしたが、地下街の規模の大きさ故に、その多くが長期間空き店舗となっており、後継店舗の誘致が進んでいない状況でした。
お菓子ドンキが出店した区画はレディスアパレル「AS KNOW AS PINKY」が、お酒ドンキが出店する区画は老舗喫茶店「ティールームアポロ」が営業していましたが、いずれもコロナ禍のなか閉店。
その後は催事スペース(期間限定で「ORIHICA」のポップアップ・ハーフプライス業態「ORIHICA HALF MARKET」などが出店)に転用されていました。

今回ドンキが出店した場所はこれまで空き店舗が出にくいような好立地であり、コロナ禍でなければ「向かい合わせ2店舗」という好条件で出店することは難しい場所であったといえます。
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