八王子・立川より地味でも魅力満載 新撰組のふるさと「日野市」を巡る【連載】多摩は今(7)
2021年6月8日
知る!TOKYO八王子市と立川市の陰に隠れて、いまいち地味な印象のある日野市。しかしそんな同市には魅力がたくさんあるのです。まち探訪家の鳴海侑さんが解説します。
日野といえば日野自動車
日野駅から都道256号(旧国道20号)に沿って坂を登ると台地になっており、ここには昭和初期に工場が立地していきました。
なかでも有名なのは日野自動車(日野市日野台)です。日野自動車の社名はまさしく地名の「日野」からとられており、現在も国内のトラックやバス製造企業としては最大手です。日野自動車のほかにもコニカミノルタや富士電機などの工場が立地し、「日野5社」と呼ばれました。

日野市内北部を走るJR中央線のもうひとつの駅、豊田駅はJR中央線の車庫のひとつ、JR豊田電車区の最寄り駅で、豊田駅を始終点とする電車も多く運行されます。駅は日野駅と同じく台地のへりにあり、駅の北側が丘の上、駅の南側が丘の下になっています。
2014年にはイオンモールも開業
駅の北側に飲食店やビルが立ち並び、そのさらに北には大型商業施設のイオンモール多摩平の森(同市多摩平)があります。多摩地域に四つあるイオンモールのうちのひとつで、2014年に開業しました。
イオンモールらしいテナント群ですが、駅近くの立地であることから駐車場は小さく、敷地も四角いことから、イオンモール特有の長い通りはなく、コンパクトにまとまっている印象も受けます。

もともとは都市再生機構(UR)の多摩平団地の一部でしたが、立て替えにより団地が高層棟になり、空いた土地にイオンモールが開業しました。イオンモールのほかにも、民間分譲マンションや図書館が新たに多摩平地区に作られています。再開発事業が行われたといっても、自然環境を大切にしており、多摩平地区を歩いていると緑を多く目にできます。
使い勝手のよい高速バス停も
日野市北側は都心からのアクセスルートとして、JR中央線のほか、日野駅と豊田駅の間を抜ける国道20号線(日野バイパス)と中央自動車道も通っています。
市内にインターチェンジはありませんが、高速バスの「中央道日野バス停」があります。このバス停につながる側道には日野市のコミュニティーバスのバス停があり、1時間に1~2本、日野駅や高幡不動駅にアクセスすることのできるバスがやってきます。

また日野市東部を南北に走る多摩都市モノレールの甲州街道駅も中央道日野バス停から徒歩7分の位置にあり、多摩エリアから中央道を走る山梨県や長野県などに向かう高速バスに乗るためには使い勝手のよいバス停です。
南側には関東三大不動が鎮座
今度は浅川を挟んで日野市の南側を見ていきましょう。
先述した通り、高度経済成長期前の「昭和の大合併」までは七生村(ななおむら)という違う自治体で、そのためにJR中央線沿線とはまた違った雰囲気があります。具体的には北部が早くから工業地帯であったのに対して、高度経済成長期までは農村地域であったため、どことなくのどかな雰囲気です。
こちらには都心からのアクセスルートとして京王線が通り、市内には4駅があります。なかでも高幡不動駅は駅に隣接して車庫があるほか、同じ京王電鉄の動物園線や日野市東部を南北に貫く多摩都市モノレールと接続しており、日野市南部の中心となっています。

駅名の由来となったのは駅から歩いてすぐの所にある高幡不動尊金剛寺(日野市高幡)です。関東三大不動のひとつで、重要文化財の仁王門や不動堂、高さ約40mの五重塔などさまざまな建造物があり、見ていて飽きません。また、境内には丘があり、丘の中には四国八十八カ所巡礼を模した参拝コースが作られています。
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