「われわれは男性を救いたい」 アパレル老舗のオンワードが “渋谷系”でも“原宿系”でもない新たなファッションを手掛けるワケ
2021年6月3日
ライフ昨今話題となっているジェンダー問題。そんななか、アパレル大手のオンワードが男女格差の是正に向き合う新ブランドを立ち上げました。その狙いは何でしょうか。ライターの秋山悠紀さんがインタビューを行いました。
裏テーマは「時短につながる服」
――本ブランドの立ち上げ経緯を教えてください。
オンワードはコロナ禍より前から不採算店舗を閉鎖するとともに、EC(電子商取引)を強化してきましたが、ECの新事業を進めるべく、「IIQUAL」を立ち上げました。狙いは「将来の顧客になる世代を新しいコンテンツで獲得していくこと」です。
これまで百貨店を中心に展開してきたこともあり、ターゲット層や価格帯も高め、かつスーツなどビジネス用の洋服をメインに販売してきました。顧客のマーケティング分析をすると、特に多いのが35歳以上の団塊ジュニア世代で、35歳以下の世代は多くありませんでした。「IIQUAL」については社内だけで完結しては新事業として成立しないのではないかと思い、30代以下のクリエーティブディレクターなど外部の若いメンバーと組むことにしました。

――「IIQUAL」の服はどのような特徴があるのでしょうか。
メンズとウィメンズという区分を取り払い、性差による体格の考慮や心理的抵抗を少なくするデザインが特徴です。業界としてはとても珍しく、従来メンズを手掛けていたデザイナーとウィメンズを手掛けていたデザイナーが一緒に作り、すべての服が性別に関係なく誰でも着こなせるように開発しました。ちなみにスカートやワンピースはメンズデザイナーに作ってもらいました。
またブランド構想はコロナ禍以前からありましたが、コロナ禍による影響も受けています。今はプライベート用と仕事用で何着も服を買うライフスタイルではなくなりましたよね。そのためほとんどの服に防汚加工を施し、家事や育児がしやすいようにしました。家事や仕事、プライベートも一着で完結するので「時短につながる服」というのも裏テーマです。
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