本当に登れるのか……東京・港区に「傾斜40度」のスゴい坂があった!【連載】拝啓、坂の上から(8)

東京・港区に傾斜40度もの坂「男坂」があるのをご存じでしょうか。別名「出世の石段」とも呼ばれる同坂について、フリーライターの立花加久さんが解説します。


石段は計86段

 そんな縁起の良い石段を目指して降り立った駅は、地下鉄の虎ノ門駅。虎ノ門といえばこのところ都内でも再開発ラッシュのエリアで、愛宕山をまるでぐるりと囲むようにそそり立つ虎ノ門ヒルズ(港区虎ノ門)を始めとした高層ビル群が壮観です。そのビルの間を抜けていくと大きな朱色の鳥居が目に入ります。

近代的な高層ビル街に突如として現れる朱の鳥居とサクセスステップの看板(画像:立花加久)

 その鳥居をくぐると、神社正面に立ち現れるのがまるで石の壁のような急勾配の86段の石段です。もはや難所ともいる40度の急勾配。足をすくませながら時間をかけてゆっくりと上がります。

 山頂には『日本書紀』で火産霊命(ほむすびのみこと)、『古事記』で火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ)と呼ぶ、火の神を主祭神としてお祭りする愛宕神社があります。

 創建は1603(慶長8)年。徳川家康の命により江戸の防火を願い祭られていますが、皮肉なことにその後に起こる江戸の大火や、大正時代に起こった関東大震災や昭和の米軍による大空襲と、幾度と無く災禍に見舞われています。

神様の布陣もマニアック

 そんな歴史に思いをはせながら境内を散策すると、いたるところに末社に祭られる神様や仏様と対面することができます。

 水の神様である罔象女命(みずはのめのみこと)や、山の神である大山祇命(おおやまづみのみこと)、さらには武運の神様である日本武尊(やまとたけるのみこと)、将軍地蔵尊、普賢大菩薩、そして宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)を祭る福寿稲荷神社に、日本一の大天狗を祭る太郎坊神社。さらに七福神の弁財天舎と恵比寿社に大黒社と他では見られない少々マニアックな神様の布陣です。

火の神である火産霊命(ほむすびのみこと)を祭る愛宕神社(画像:立花加久)

 ちなみに当社のご利益は、防火、防災、印刷・コンピューター関係、商売繁盛、恋愛、結婚、縁結びといまどきの生活に結びついた内容です。

近くには異世界感あふれるトンネルも


【画像】傾斜はなんと40度! 港区「出世の石段」を見る

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