東京「港区」なのに「港」っぽいイメージが全くしない理由
2021年5月19日
ライフ高所得者が多く住む東京港区。そんな港区は「港」の名前が付くものの、いまいち港のイメージ画ありません。いったいなぜでしょうか。住宅評論家の櫻井幸雄さんが解説します。
「港」の印象が薄い理由
港区に「港」のイメージが薄い理由。そのひとつめは、品川駅から浜松町駅までの間の東京湾側――具体的な駅名を挙げると、竹芝、日の出、芝浦ふ頭に倉庫街や入国管理事務所といった施設が集まっているためです。

東京湾で陸揚げされた荷物を保管するための大型倉庫が並び、首都高速道路の下の海岸通りを大型のトレーラーが行き来する……そんな光景が広がり、遊びや買い物関連の施設はほとんど見当たりません。
その結果、一戸建てはもちろんのこと、マンションもほとんどみかけません。住んでいる人が少ないために、
「港区の東京湾側には縁がないし、行ったこともない」
という人が多くなります。この「なじみのなさ」が、港区から「港」のイメージを薄めているふたつめの理由と考えられます。
しかしながら、品川駅から浜松町駅までの間の東京湾側には、近年、少しずつマンションが建設されるようになりました。一部の倉庫が移転し、マンション用地として活用されるようになったからです。
その場所は駅から徒歩10分以上になるところが多く、日々の買い物も便利とは言えません。首都高速道路に近く、海岸通りの交通量も多い、と懸念材料が複数あります。
そんな場所のマンションなど、分譲しても買い手がいないと思われがちです。ところが、実際は好調に売れてしまうケースが多くなっています。
理由は、「意外な利点」があるからです。
港区の港側には芸能人が好む要素も
まず、東京湾の眺望が広がります。
マンションと東京湾の間に別の建物があっても、倉庫や入国管理事務所など、さほど背の高い建物ではありません。そのため、マンションの10階以上であれば、東京湾のパノラマを満喫できるわけです。東京湾とは反対の内陸側を望むと、今度は大都市・東京の夜景を楽しむことができます。

次に、商業施設が少ないエリアなので、夜は人通りが少なくなります。これは「都心でありながら、人目が少ない」という立地特性を生むことになり、芸能人など有名人に好まれる要因になります。
付け加えると、新幹線の品川駅や羽田空港に近く、地方に出掛けやすいのも、売れっ子の芸能人には好都合です。
道路の騒音は窓を2重にするなどの対応があれば、問題なし。港区内にあっても新築分譲マンション価格が抑えられているのは、港区の港側エリアの利点となります。
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