ポケベル時代が生んだ名曲――懐かしのCMソング「渋谷で5時」を知っていますか

これまで数々の歌で歌われてきた東京。その中でも1990年代に盛んだったのが、渋谷に関する歌です。音楽ライターの鈴木啓之さんが解説します。


楽曲に生まれた絶妙なコントラスト

 若者文化の発信地としての渋谷をアピールしたいという思いから曲を作った鈴木雅之は、サビのフレーズを考えながら菊池桃子の特徴的な歌声を想起し、パートナーに指名したといいます。

鈴木雅之のアルバム『Perfume』。「渋谷で5時」を収録(画像:ソニー・ミュージックエンタテインメント)

 自らの歌唱力に自信がなかった菊池桃子はいったん辞退しましたが、熱望されて結局は引き受けることに。

 ソウルフルな鈴木のボーカルと、癒やし系の菊池のウィスパーボイスは意外にも絶妙なコントラストを醸し出しました。

 一見ミスマッチ風でありながら、実はベストマッチだった、デュエット・ナンバーのスタンダードが誕生したのです。

ポケベル普及で得たもの、失ったもの

 作詞の朝水彼方は、ソニーのソングライターオーディションに合格し、1990年に作詞家デビュー。沢田研二「そのキスが欲しい」、稲垣潤一「語らない」など、主に男性ボーカリストの作品を手がけていた人物。デリケートな言葉遣いに女性らしさが感じられます

 当時、東京テレメッセージのCMソングに起用され、印象的なサビがテレビから頻繁に流れたこともヒットにつながった要因といえます。

 いわゆるポケベルのCMならではの、待ち合わせのシチュエーション。この曲が最も時代を象徴しているポイントは、躍動感あふれる詞やメロディーもさることながら、なんといってもタイトルにあるのではないでしょうか。

ポケベル(画像:写真AC)

 それまでは「5時に渋谷のハチ公前で」などと、時間と詳しい場所を指定するのが待ち合わせの常識でした。それが、ポケベルや携帯電話の登場により、「渋谷で5時」などというアバウトな約束ができるようになったのです。

 ただしそれによって、恋愛小説やドラマの定番だったすれ違いの場面が成立しなくなってしまったことは否めません。そんな通信産業における大革命が、曲が生まれる背景にあったのでした。

12年ぶりに発表されたデュエット作品


【画像】「渋谷で5時」で共演 鈴木雅之×菊池桃子、12年ぶりのデュエット作品

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