【東京出身タレント名鑑】新レギュラー0本でも無問題! 芸人・近藤春菜(狛江市)が今後も安泰なワケ

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【東京出身タレント名鑑】新レギュラー0本でも無問題! 芸人・近藤春菜(狛江市)が今後も安泰なワケ

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中村スバル

ウェブライター、作曲家

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多くの俳優やアーティスト、タレントたちを輩出してきた街・東京。そんな東京出身の有名人にスポットを当てて、その人柄や魅力に迫ります。今回紹介するのは、独自のいじられ芸を築き、お笑い芸人としての実績を重ねてきたハリセンボンの近藤春菜さんです。

みんな大好き、枝豆のまち狛江市出身

“第7世代”と呼ばれる若手を中心に、あらゆるタイプの芸人が活躍する群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)のお笑いシーン。

 大御所の番組でひな壇に座る従来型の芸人から、海外進出してエンターテイナーとして活動する芸人まで、それぞれが独自のスタイルで活動を続けています。

 しかし、それだけ競争が激しいお笑い戦国時代だからこそ、長期的に芸能界で生き残ることは容易ではありません。長年にわたって活躍を続けるためには、どんな番組でも笑いが取れる安定したスキルが欠かせません。

 安定した“お笑いスキル”があり、長年にわたって活躍を続ける女性芸人といえば、お笑いコンビ・ハリセンボンの近藤春菜さんではないでしょうか。

お笑い芸人の近藤春菜さん。2021年4月、寝具メーカー西川のイメージキャラクターに起用されるなど、ばりばり活躍中(画像:西川)



 近年、芸歴を重ねた女性芸人が実業家やアーティストなどへと活動領域を変化させていく中で、コンビ結成17年を迎えた近藤さんは、情報番組のコメンテーターなどを務めつつも常に笑いを取る芸人としての本懐を貫いています。

 一方、2021年2月から全国放送されたソフトバンクのテレビCM「無制限HERO’S」シリーズでは、ダウンタウン松本人志さんと共演し、美しく大変身する女性役をコミカルに熱演。白のワンピースを着て松本さんとともにランウェイを歩くシーンは好評でした。

 1983(昭和58)年2月生まれの近藤さんは、狛江市出身。2015年には、同市の観光大使に就任しています。

今春、新レギュラー地上波ゼロに

 狛江市は多摩丘陵の東南端多摩川沿岸に位置し、面積は6.39平方キロメートル、人口は約8万3000人(2021年5月1日現在)。新宿から小田急線で南へ約20分の位置にあり、東は世田谷区、西及び北は調布市、南は多摩川をはさんで神奈川県川崎市に接しています。

近藤さんの出身地である狛江市。全国で2番目に小さい市(画像:(C)Google)



 市の花は、ピンク色の鮮やかなツツジ。特産物は皆が大好きな枝豆。また、都心から近いという立地を生かして、ドラマや映画などのロケ誘致にも積極的です。

「こまえ観光ガイド」のサイトによれば、吉高由里子さん主演ドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)第3話(2020年1月22日放送)、田中圭さん主演『あなたの番です』(同)第19話(2019年9月1日)、深田恭子さん主演『ルパンの娘』(フジテレビ系)第8話(2019年8月29日)など、数々の有名作品で同市内が登場しました。

 そんな狛江市出身の近藤さんですが、2021年3月にサブMCを務めていた朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)を卒業したことで露出は激減しました。

「ソロでの地上波ゴールデン&プライム帯のレギュラー番組はゼロ本」「地上波テレビでの新レギュラーがゼロ本」などといった、今後の活動を不安視するようなネット記事も散見されました。

 しかし、コンビとしては引き続きバラエティー番組にレギュラー出演し続けており、ソロとしてはゲストで呼ばれ、得意の“いじれら芸”で番組を盛り上げています。また、毎週土曜日お昼の『土曜スタジオパーク』(NHK)に司会として毎週レギュラー出演を続けています。

 今回はそんな芸人・近藤春菜さんが、今後もテレビ出演をコンスタントに続けていくであろう理由を、お笑い芸人としてのキャリアを振り返りながら探っていきます。

「角野卓造じゃねぇよ!」で大ブレイク

 2004(平成16)年に同期の相方・箕輪はるかさんとコンビを結成した近藤さんですが、翌年にはコント番組『10カラット』(TBSテレビ系)のレギュラーメンバーに選ばれるなど、すぐに活躍を見せ始めました。

 徐々にテレビ番組での露出が増える中、2007年に『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の人気企画「格付けしあう女たち」に初登場。

 司会の田村淳さん(ロンドンブーツ1号2号)に、「角野卓造さんに似てるって言われます」と話すと、それを気に入った田村淳さんから「どうですか、角野さん」と、何度も振られました。

 とっさに「角野卓造じゃねぇよ!」と返すと、スタジオは大爆笑。こうして代表的ツッコミフレーズ「角野卓造じゃねぇよ!」が誕生し、きっかけに一気に大ブレイクしました。

 このエピソードは、2017年に放送された番組『サワコの朝』(TBS系)の中で披露しています。

『スッキリ』のサブMCに抜擢

「角野卓造じゃねぇよ!」で大ブレイクを果たし、順調にお笑い芸人としてのキャリアを積んでいた近藤さんは、2016年に朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)のサブMCに抜擢されました。

 2021年3月に同番組を卒業するまでの間、メインMCの加藤浩次さんを立てつつ、自らの意見もしっかりと述べる仕事ぶりとコメント内容は、ネット上でもしばしば話題になりました。

常に新しい笑いを模索

 自らの容姿をネタにしたツッコミフレーズで名を広めた近藤さんですが、時代の変化に合わせて、笑いのスタイルを常にアップデートさせている様子もうかがえます。

 見た目いじりは時代遅れで、人を傷つけない笑いが主流になりつつあり、近藤さん自身の心境も変わってきているようです。

 自分の容姿を笑いにすることで、“おいしい思い”をしてきたものの、世間の笑いの感覚が変わっているのを感じ、容姿を使わず人を傷つけないスタイルの笑いへシフトしようとしています。ニュースメディア「ハフポスト」のインタビュー内(2020年12月24日配信)で答えていました。

近藤さんの出身地・狛江市の特産品は枝豆(画像:写真AC)



 このように、世間の笑いの感覚が変わっていく中で、自身の“いじられ方”も時代に合わせて変えながら、安定した笑いを取ることができる。この能力の高さが、業界で重宝される理由なのかもしれません。

 2021年春現在、ソロでの地上波ゴールデン&プライム帯のレギュラー番組は無くなったものの、彼女が完全に芸能界から消えることはまずないでしょう。プライベートを充実させつつ、安定した“お笑いスキル”を生かして近いうちにまたソロでもレギュラー番組を獲得するはずです。

天性の人情味、温かい笑い

 彼女の出身地である狛江市は、全国で2番目に小さい市。しかし市内には古代の古墳が残り、さらに特産品は皆が大好きな枝豆です。枝豆を使った発泡酒やアイス、ようかんなども作られている、実にバラエティー豊かなまちです。

 そんな街だからこそ、温かい人情味があふれる芸人・近藤さんが誕生したのではないでしょうか。

 司会もひな壇もこなし、お茶の間に新鮮な笑いを届け続ける近藤春菜さん。今後のさらなる飛躍が楽しみです。

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