出てきてビックリ!? 東京のそばはなぜ「量が少ない」のか

東京にそばの名店数あれど、そばの量に少々疑問を持っている人は少なくないでしょう。フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。


そばを取り巻く「粋」への懐疑

 かつて江戸の街では「そばは三つ箸半」という格言があったとされています。これは、箸で3回半つまんでたぐって食べ終わるくらいがちょうどよい量という意味です。しかし、この格言を取り上げている文献はありましたが、誰が言い出したのかは見つけられませんでした。

 東京では「そばは細くてのびるのが早いから」という説もありますが、そこまで早いのだろうかと疑問は残ります。

 この疑問を解く鍵となりそうなのが、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』です。

夏目漱石『吾輩は猫である』(画像:新潮社)

 この小説に登場する粋人の迷亭先生は「饂飩(うどん)は馬子が食うもんだ。蕎麦の味を解しない人ほど気の毒な事はない」と、うどん好きが聞いたら激怒しそうなことを平気でいい放つ蕎麦党です。

 そんな迷亭先生ですが、作中では「笊(ざる)は大抵三口半か四口で食うんですね。それより手数を掛けちゃ旨く食えませんよ」とも語っています。

 ここから見えてくるのは、そば屋には長居をしないので量の少ないのが当然で、さっと食べてさっと出るのが粋だと思っている人がいる一方、そんな粋にばかばかしさを感じている人もいたということです。

 類推するに、そばはのびやすいので何枚か食べて腹を満たすものだったのが、誰かが「さっさと店を出るのが粋」と言い出したら、いつの間にかそれが定着したのではないでしょうか。現代もラーメン店で似たような独自ルールがあるのを見ると、この説が一番正しいような気がします。

 古典落語『そば清』の枕で「死ぬ前に一度、つゆをたっぷり付てそばを食べたかった」と言い出す江戸っ子の話は有名です。結局はそばも量の少なさも、やせ我慢を粋と考える風潮がいつの間にか伝統文化になったということなのでしょう。


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