安易な地方移住は子どもの教育環境に悪影響? 注目すべきは移住先の街の「歴史」だった【連載】現実主義者の東京脱出論(2)

新型コロナウイルスの感染拡大で、今まで以上に注目を浴びる「東京脱出」「地方移住」。そんな世の中の流れに対して警鐘を鳴らすのが、1年の半分近く、全国各地を巡る地方系ライターの碓井益男さんです。連載2回目となる今回のテーマは「地方の教育環境」です。


経済発展度と都市の歴史の関係

 具体的な地域を例示しましょう。

 広島県広島市(政令指定都市)に隣接する東広島市の人口は約19万人で、広島市のベッドタウンとして人口増加率が著しく高い都市です。広島県第3の都市である呉市と並ぶ、発展中の都市です。呉市の人に聞くと「既に抜かれた」との声も。

山陽本線西条駅と広島市の位置関係(画像:(C)Google)

 東広島市の中心は山陽本線西条駅周辺で、広島大学の医歯薬以外の全学部が1995(平成7)年までに移転し、同大のメインキャンパスとなったことで、学園都市としても発展しています。

 東広島市も高校は公立優位ですが、地域にある県立高校は普通高校と職業系高校のふたつしかありません。それ以外の普通高校に進むなら私立大学付属高校がありますが、偏差値は前出の普通高校よりも高いため、その間の偏差値を狙う際には、電車で広島市内へ通わなければなりません。人口増加率が著しく高いわりには、疑問を感じる教育環境です。

 鳥取県の西部に位置する米子市の人口は東広島市よりも少なく約14万人ですが、県立の普通高校だけでなく、私立高校も充実しています。市の東西にあるふたつの高校は創立100年を越える地域のエリート校で、両校と県立の総合・職業系高校との偏差値的な合間を私立高校がきっちり埋めているため、学力に応じた高校の設定が細やかだと言えます。

 この背景にあるのは都市の歴史です。広島大学の移転先と決定したのを契機に1974(昭和49)年に旧西条町などが合併してできた東広島市と、江戸時代以降、城下町として発展してきた米子市――経済発展度は東広島市が優位ですが、教育に関しては米子市の方が優位です。

移住先の教育環境の吟味を


【コロナ禍における移住の意識調査】80%以上がコロナ禍でも移住や新たな住環境を検討――感染リスクの軽減以外に、約半数が働き方や生き方に関する理由だった

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