都心の空に轟く爆音 日比谷野音が「屋外ライブの聖地」になったワケ

1923年の開設以降、さまざまなイベントが行われてきた日比谷公園大音楽堂。同施設は一般的に「屋外ライブの聖地」として知られています。その歴史について、音楽ライターで、ブラック・ミュージック専門誌「bmr」元編集長の小渕晃さんが解説します。


日本のロックの、そしてフォークの聖地に

 記録に残る野音ライブで最初に記すべきは、「史上最も偉大なシンガー」のひとり、フランク・シナトラの初来日公演です。子供たちのための慈善活動を目的としたワールド・ツアーの一環で、1962年4月、超満員の野音で行われた伝説のライブは映像も残されています。

 その数年後、野音は学生運動の集会場として知られるようになります。そういった、反体制派の拠点としての意味合いにも引かれた成毛滋(なるも しげる)らが主催したのが、1969年9月に行われた「ニューロック・ジャム・コンサート」、通称「10円コンサート」でした。

 成毛はこのひと月前にアメリカで「ウッドストック・フェスティバル」を体験。その興奮を伝えるべく、ミッキー吉野や内田裕也らと日本初のロック・フェスティバルを開催したのです。

 翌1970年にはゴールデン・カップスやフラワー・トラヴェリン・バンドも出演した「第3回 日本ロック・フェスティバル」が、1971年にはブルース・クリエイション、はっぴいえんども参加した「日比谷ロック・フェスティバル」が続けて催され、野音は日本のロックの聖地として認識されていきます。

1971年発表の岡林信康「自作自演コンサート 狂い咲き」(画像:ディウレコード、URC)

 加えて、1971年には「フォークの神様」と呼ばれた岡林信康が「自作自演コンサート 狂い咲き」を開催。レコード化もされたこのライブもまた人々に語り継がれ、野音はロックのみならずフォークの聖地としても人気を博しました。

キャロルやRCサクセションによる伝説のライブ

 1975年には、野音最大の伝説であるキャロルの解散ライブが行われました。

 矢沢永吉やジョニー大倉らが組むバンドは、舘ひろしや岩城滉一らの組むクールスが護衛を務めたこのライブをもって活動を終了。「CAROL」と描かれた電飾が焼け落ちるというこれ以上ないハプニングも含めて、TV放映もされたこのライブは、野音という会場の神格化に大きく寄与します。

解散コンサートを収録したキャロル「燃えつきる~ラスト・ライヴ」(画像:ユニバーサル ミュージックジャパン)

 1977年には、トップ・アイドルだったキャンディーズが野音ライブ中に解散を発表。「普通の女の子に戻りたい」というセリフが広く知られ、社会現象となりました。

 伝説の解散ライブが数々行われた一方、野音での熱狂的なライブで人気を高めていったアーティストも数多くいます。

 10代の頃から野音を「ホーム」とし、多くの名ライブを繰り広げてきたのがチャー。中でも1979年7月の、ジョニー、ルイス&チャー結成お披露目無料ライブはレコード化もされ伝説の一夜に。

 そして、野音と言えばRCサクセションという方も多いでしょう。1981年のこれまた伝説と語り継がれるステージを皮切りに、RCの「夏の野音」は毎年の恒例行事に。1986年のステージを収録したライブ・アルバム「the TEARS OF a CLOWN」は特に人気です。

数々の事件が生まれた野音のステージ


【画像】75年前の日比谷公園大音楽堂

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_08-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_09-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/04/210424_yaon_04-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画