【東京出身タレント名鑑】アニキ肌な名優・小栗旬(小平市)が世代を超えて支持されるワケ

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【東京出身タレント名鑑】アニキ肌な名優・小栗旬(小平市)が世代を超えて支持されるワケ

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秋吉あん

ライター、元大手芸能プロダクション営業

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多くの俳優やアーティスト、タレントたちを輩出してきた街・東京。そんな東京出身の有名人にスポットを当てて、その人柄や魅力に迫ります。今回紹介するのは、俳優の小栗旬さんです。

ブルーベリーのまち小平市出身

 ドラマや映画、CMなどのメディアに限らず、幅広いフィールドで活躍する俳優たち。現在、若手俳優からベテランまで数多く、様々なタイプの俳優がいます。

 その中でもひときわ目立つ存在として活躍している俳優といえば、小栗旬さんではないでしょうか。2020年には映画『罪の声』に新聞記者役として主演。同作は第44回日本アカデミー賞11部門で優秀賞を受賞するなど高い評価を受けました。

各方面で活躍を見せる小栗旬さん。2020年9月からは「「三井住友カード プラチナプリファード」テレビCMに登場した(画像:トライストーン・エンタテイメント、三井住友カード)



 1982年12月生まれの小栗さんは、小平市出身。同市は多摩地域の武蔵野台地上に位置して面積およそ20.5平方メートル、人口約19万5000人(2021年3月1日現在)。日本一の大きさを誇る赤い「丸ポスト」や、ブルーベリー栽培発祥の地などとして知られています。

 そんな小平市出身の小栗さんは、東京生まれ・育ちのタレントの中でも代表的な存在です。

 クールな役から王子様役、そしてミステリアスな役とどんな役でもハマってしまう演技力は「カメレオン俳優」として業界人からも高く評価されています。さらに、自身でもメガホンを取り、映画監督として作品を作っています。

 今回はそんな唯一無二の俳優、小栗さんがなぜここまで老若男女に人気なのか、俳優としての経歴を振り返りながら理由を探っていきます。

ある女優に憧れて芸能界入り

 子役から芸能界で活動をしていた小栗旬さんですが、本格的な俳優デビューは初レギュラー出演ドラマ『GTO』(フジテレビ系、1998年)でのイジメられっ子役です。

 当時15歳という年齢ながら、堂々と演技をしていた姿が印象に残っています。

小栗さんの出身である小平市(画像:(C)Google)



 小栗さんの芸能界入りのきっかけは、小学校6年生のときにファンだった「内田有紀さんと共演したい!!」という夢実現のため。この話は、小栗さん自身がバラエティー番組でよく紹介している有名なエピソードです。

出世作『花より男子』の花沢類

 その後、聴力障害者役という難しい役をTBSテレビ系ドラマ『Summer Snow』(2000年)で好演し、若手俳優の登竜門ドラマ『ごくせん。』(日本テレビ系、2002年)で主要キャストで出演。多くのドラマでレギュラー出演を重ねていきました。

 そして、なんと言っても彼自身を大ブレイクさせた役といえば『花より男子』(TBSテレビ系、2005年)の「花沢類」役。小栗さん演じる花沢類はまさにハマり役。雰囲気や表情、仕草全てが原作に近く、漫画の花沢類のイメージを壊すことなく演じきり、漫画ファンをも魅了しました。

日本アカデミー賞、キネマ旬報ベストテンなど、数々の賞を受賞した映画『罪の声』に主演(画像:(C)2020 映画「罪の声」製作委員会)

 ちなみに『花より男子2(リターンズ)』『花より男子F(ファイナル)』と続いたシリーズ内で花沢類を演じ、キャリアを積んだ小栗さんですが、実は花沢類役のオファーがきたとき“キラキラした少女漫画”は「絶対に俺はやらない」とマネージャーとやり合ったそうです。

 原作が好きだという家族に花沢類役のオファーのことを話すと、姉に「あ、(花沢類役は)お前じゃない。ありえない」と一蹴され、その言葉で逆にやる気が湧いて、「こうなったらやるっきゃない!」と決めたのだと語っています。

連ドラ初主演は『貧乏男子』

 これまで数多くの作品に出演してきた小栗さんですが意外にも『貧乏男子 ボンビーメン』(日本テレビ系、2008年)が連続ドラマ初主演です。

 これは、妻である山田優さんとの交際のきっかけにもなった作品。ちなみに結婚してから2年後、小栗さんがルパン3世役を演じた、2014年公開の実写版「ルパン三世」でも、美人キャビンアテンダント役の山田優さんと夫婦共演されています。

 20秒程度の短いシーンですが粋なサプライズは観客を楽しませてくれる演出でした。

 そして織田信長を演じたドラマ・映画『信長協奏曲』(2014、2016年)などで、業界内外でも確固たる地位を築きました。この作品は、歴史に無知な高校生のサブローが戦国時代へタイムスリップし、そこで出会ったのが自分そっくりな本物の織田信長、という設定。

 小栗さんは、高校生のサブローと織田信長というひとりふた役を演じきったわけですが、サブローと織田信長が初めて出会うシーンは圧巻。業界関係者によれば、別人格を演じる難しい場面にも関わらず、サラっとこなしてしまったそうです。

“世界のニナガワ”と言われている演出家の蜷川幸雄さんは

「小栗は本来、ハムレットをやるべき俳優であり、ロミオをやるべき俳優。ぼくは小栗にサブカルチャーをやらす気はない」

と評価しており、蜷川さんが断言している通り、名優への道を着実に歩んでいます。

兄貴肌で慕われる人柄と人徳

 バラエティー番組で交友関係トークになると、ふた言目には“小栗旬”と彼の名前を挙げる俳優が数多くいます。松本潤さん、生田斗真さん、藤原竜也さん、ムロツヨシさん、と多く豪華すぎる面々です。

 そのメンバーが集結している「小栗会」というワードが、よく飛び交います。幅広い交友関係で有名な小栗さんですが、それは彼の人間としての魅力が呼び寄せているものでしょう。

 小栗さんは「チャレンジする姿勢を見せ続けることの大切さ」をよく口にしており、その姿が同じ俳優、そして老若男女の視聴者へ響いているのかもしれません。

 30代になっても学生を演じる姿や、ひとりふた役の時代劇、最近ではハリウッドデビュー(2021年5月公開予定『ゴジラvsコング』)も果たしております。

 とにかくどんなことも楽しく取り組み、人を巻き込み、巻き込んだ人を活かす姿勢やハングリー精神とストイックな姿が、仲間や後輩がついてくるゆえんである、と言えるのかもしれません。そしてその姿が私たち視聴者のどの世代にも受けるのでしょう。

 2022年にはNHK大河ドラマの『鎌倉殿の13人』で主人公の北条義時を演じる彼ですが、今後「日本を代表する名俳優」として間違いなく存在し続けることになる俳優のひとりです。

 筆者自身、業界で仕事に関わっている中、彼の名前を聞くことは日常でしたし、さらに彼に憧れ俳優を目指す、“未来の名俳優”に出会うことがとても多かったです。

 彼の出身の小平市は、昔懐かしい「丸ポスト」が都内の自治体で一番多く保有するまち。「かわいい」「ノスタルジック」と評判の丸ポストがある穏やかなまちの気風が、小栗さんの類まれな才能を育んだのかもしれません。

 年を重ねるごとに魅力を増す、俳優・小栗旬。40代、50代と渋く、さらに素敵な俳優となるであろう彼のこれからの活躍が楽しみです。

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