渋沢栄一の偉業は東京だけじゃなかった! 静岡を日本屈指の「お茶王国」にした実績をご存じか【青天を衝け 序説】

“日本資本主義の父”で、新1万円札の顔としても注目される渋沢栄一が活躍するNHK大河ドラマ「青天を衝け」。そんな同作をより楽しめる豆知識を、フリーランスライターの小川裕夫さんが紹介します。


製茶産業の近代化をバックアップした渋沢

 幸運にも、牧之原大地の土壌は茶づくりに適していました。

静岡県内の茶畑のイメージ(画像:写真AC)

 帰農した武士は多かったこともあり、牧之原大地の一帯は見る見るうちに茶畑が広がっていきました。そして、茶の栽培地は静岡全域に拡大。静岡は日本屈指の「茶王国」となりました。

 主君だった慶喜に連れ添って静岡で生活していた渋沢は、静岡の産業を振興するべく静岡商法会所を立ち上げます。静岡商法会所とは、現代で例えるなら銀行・商社・農協・商業会議所・商工会などの役割を併せ持った組織です。

 茶王国になった静岡ですが、お茶は摘み取った茶葉を製茶しなければ出荷できません。それらの作業を効率化するには近代的な工場が不可欠で、莫大(ばくだい)な資金が必要でした。しかし静岡の茶農家の多くは資本がないため、大規模な工場を建設することは難しい状態でした。

 渋沢は商法会議所で集めた事業資金を茶農家などに融資。この事業資金を元手に製茶工場が設立され、同時に流通経路も整備されていったのです。

渋沢、再び東京へ

 殖産興業(資本主義的生産方法を保護育成しようとした政策)を推進していた明治新政府は、諸外国から輸入される舶来品に日本製品が押され気味になっていることに危機感を募らせました。

 その対抗措置として、日本からも輸出できる農産品や工業製品をリサーチします。調査の結果、生糸と茶は諸外国でも人気が高いことが判明し、茶の栽培が奨励されました。

製茶作業のイメージ(画像:写真AC)

 静岡商法会議所の成功を見た明治新政府の役人たちは、渋沢を官職へとスカウトしようとしました。渋沢は断るつもりで上京しましたが、大隈重信の説得に折れて、以降は東京で生活を送ります。

 渋沢は、自分が静岡から離れることで静岡の茶業が衰退してしまわないか心配していました。そのため、なじみのあった三井組(三井財閥の前身)に後見を頼んでいます。

 こうして東京へと居を移した渋沢でしたが、その後も静岡の茶業を気にかけていました。旧主の慶喜を訪れるため、渋沢は静岡へとたびたび足を運んでいます。

その後も足しげく静岡に通った渋沢


【画像】大河ドラマ館が開設された東京・北区「飛鳥山博物館」

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