何の変哲もない「石」が世界的価値? 八丈島で見つかった超希少物質の正体とは

東京都心から南へ300km弱の太平洋に浮かぶ八丈島。この場所で、世界的にも極めて価値があると見られる「砥石」が作られています。原石を加工して製品化しているのは移住者の男性。石の特徴や男性の思いを、紀行作家の斎藤潤が訪ねます。


ステンレスもチタンも研げる優れもの

「油砥石は硬く粒度が細かいので、ニッパーやハサミ、彫刻刀の丸刀などもうまく研ぐことができるんですよ。サビ取りの研磨剤としても使えます」

 さらに、いいことずくめらしい。

「ステンレス鋼でも炭素鋼でも、金属系の刃物ならすべて研ぐことができ、安来鋼(やすきはがね)やチタン含有鋼でも研げます。研げないのは、セラミック系くらいですよ。あと、硬くて減りが少ないので、一生使ってもらうことができる一点ものなんです」

世界一優れているかもしれない八丈島の「砥石(といし)」。八丈空港の売店にも置いてある(画像:斎藤潤)

 八丈砥石の想像以上の実力は分かりましたが、地元の人をさしおいて、なぜそんなお宝に気づくことができたのか。

 高橋さんが八丈島へ通いはじめて30年近くなるそうですが、手ごろな空き家が見つかって移住してきたのは2014年になってから。

「それまでは、都立病院で施設の保守管理をしていました。若い頃に自分で家を建てられるようにとブロック屋をしていたことがあり、それで石に詳しくなった。病院では医師に頼まれメスなどステンレスの道具を研ぐこともあり、砥石に関してもそれなりの知識があったと思います。移住してくる前から、島の石が砥石になることは気づいていました」

 移住後に山を開墾(かいこん)しているとき、ゴロッと出てきた石に心をひかれ、近隣の玉石垣を観察し海岸を歩いて、八丈島には砥石に向いた石が多いことを確認した上で、八丈砥石工房を立ち上げたそうです。

 地元でも島の石が砥石に向いていると気づいている人は何人かいましたが、高橋さんのように世に広めようと立ち上がった人はいませんでした。

極薄型やペンシル型 用途は多種多様


【画像】希少な石を加工した製品(8枚)

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