もう一度だけ行きたい―― 重苦しい90年代を支えた大人の遊び場「ナムコ・ワンダーエッグ」の思い出
2021年2月3日
ライフ1992年から2000年、二子玉川駅の近くにあった「ナムコ・ワンダーエッグ」をご存じでしょうか。バブル経済が崩壊し、重苦しいニュースも相次いだ90年代、時代の空気に抗うように希望に満ちあふれたその場所を、フリーライターの真砂町金助さんが思い出とともに振り返ります。
バブル崩壊後のムードに抗うように
この施設は、ゲームメーカーのナムコ(当時)が運営したテーマパーク。日本で初めてゲームメーカーが手掛けた遊園地です。筆者の手元にはすでに当時の写真が無く、あらためて残念に思うと同時に「もう一度行きたい」という思いに駆られました。
バブル景気が終焉(しゅうえん)を迎え、不安が増してきた世間の風に抗うかのように園内は希望に満ちていました。
中央の「エルズ広場」にはメリーゴーランドが配置され、大道芸のショーが日に何回も行われます。建物は西欧の街角風の雰囲気で造られ、子どものための遊園地というよりは、大人のアミューズメント施設。いうなれば「巨大なゲームセンター」といったところでした。
実際「ワンダーイマジネーション」というコンセプトを掲げていたナムコは、参加体験型のアミューズメント施設を目指していたといいます。それぞれのアトラクションの中でゲームの主人公になった気分で楽しめる施設というわけです。そのため、お客は「ドリーマー」、従業員は「アトラクター」と呼ばれていました。

入園料大人800円を支払って入る敷地は、エルズ広場から、「竜の城」「ラペロの市場」「時の工場」の四つのエリアからなり、14のアトラクションが設置。そのいずれもが、ゲームセンターのアトラクションをさらに面白くしたようなものです。
特に話題となったのは「ドルアーガの塔」。1984(昭和59)年にナムコがアーケードゲーム用に開発。のちにファミコンにも移植された名作ゲームを基にしたアトラクションです。ライドに乗ってめぐるアトラクションは、戦い方によってストーリーが分岐していくという仕様です。
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