博多でもマイナーだった「もつ鍋」が90年代東京に大ブームを巻き起こした理由

寒い時期にかかせない鍋。そんななか、男女ともに支持を集めるのがもつ鍋です。その歴史について、フリーライターの小西マリアさんが解説します。


博多から「東京のもつ鍋は辛すぎる」の声

 ところが、この東京でのブームは新たな問題を引き起こします。

 もつ鍋に使われるのは主に牛の小腸です。ここに大腸やセンマイ(第3胃)、心臓などをミックスして出す店もありますが、牛1頭あたりから取れる量は限られているため、需要が急増してもすぐに対応できるわけではありません。これにより、1993年頃には「もつ不足」、そしてニラの高騰が問題として浮上したのです。

 とりわけニラは天候不順で収穫量が減ったため、1992年末には小売価格が急騰する騒ぎも発生。結果、東京では「安い」と大人気にもかかわらず、本場の博多ではブームの影響で値上がりするという現象が起きたのです。

 ちなみに、博多の人には「東京のもつ鍋は辛すぎる」「気取って食べるものではない」と辛らつに見られていたようです(『週刊大衆』1993年1月25日号)。

ニラ(画像:写真AC)

 こうしたブームの余波を受けて、もつ鍋は家庭でも鍋料理のラインアップに加わり、内臓肉を扱うスーパーも次第に増えていきます。

 食品メーカーは野菜を加えるだけで食べられるレトルト製品を開発し、普及。こうして、もつ鍋のブームを経て東京でも当たり前に食されるようになりました。

 近年、肉を語るときに「ここは○○という希少部位」と喜ぶ東京人の楽しみも、その背景にはもつ鍋ブームによって食べるバリエーションが増えたという事実があったといっても過言ではありません。


【画像】ぐるなび「鍋グランプリ」で敢闘賞に輝いた「もつ鍋」

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