アリ?ナシ? 人気漫画の「実写化」ブーム、あなたの意見を聞かせてください
2021年1月31日
ライフ近年注目される漫画作品の実写化。そのような流れはいつ頃からあったのでしょうか。過去の珍作品とともに、フリーライターの大居候さんが解説します。
実写化は「人気のバロメーター」だった
漫画原作の実写映画はこのような状況もあって、近年はネガティブなイメージを持たれがちですが、以外に成功をしている例も多いのです。
日本における実写化の歴史は古く、始まりは1925(大正14)年に製作された『ノンキナトウサン 活動の巻』です。これは大正時代に『夕刊報知新聞(現『スポーツ報知』)』に連載されていた麻生豊の作品で、同作に先んじてアニメ版も製作されています。
その後も太平洋戦争を挟んで、『サザエさん』や『あんみつ姫』などの実写化が盛んに行われました。
近年、実写化は「原作人気にぶら下がる」とネガティブに捉えられがちですが、人気漫画が実写になるといった流れは、昔から当たり前のことだったのです。ある意味、実写化の提案が人気のバロメーターだったともいえます。
こうした漫画原作の映画化が盛んになったのは、1970年代に入って劇画が台頭してからのことです。リアリティーのある展開が映画の原作として使いやすかったからだと考えられます。
この時代に光った作品として知られるのは、梶芽衣子主演でシリーズ化された『女囚さそり』です。原作は篠原とおるによるもので、原作より実写化作品のほうが知られているのですが、原作を読むとヒロインが女囚ということを除き、共通点はまったくないという思い切った内容となっています(なお篠原とおる作品は実写化されたものが多いのにアニメ化は一度もないという希少な存在です)。

同じく梶芽衣子主演で実写になった小池一夫・上村一夫『修羅雪姫』が比較的原作要素を入れているのに比べて、『女囚さそり』シリーズは好き勝手にやっている感が際立っています。
傑作野球漫画も実写化
むしろ、この時代の作品を見ると漫画原作だからといって原作に忠実にやればいいというものではないことが、よくわかります。それを知るために見るべきなのは、1977(昭和52)年公開の『ドカベン』です。
『ドカベン』は、いわずと知れた水島新司の傑作野球漫画です。原作に忠実にしようと、主人公の山田太郎や岩鬼に公募でスカウトしたそっくりさんを起用。
しかし物事には限界があります。そっくりさんが漫画そのままの動きを演技するわけですから、うまくいくわけがありません。川谷拓三演じる殿馬が「ヅラヅラ~」とスキップしているシーンだけが妙に印象的です。

最近はDVDも発売されているので、コロナ禍の「おうち時間」に必見です。
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