将来的には70階ビルも――いま東京で「木造建築物」が急増しつつあるワケ

東京で今、木材をベースにした建築物が誕生したり、高層ビルの計画が進行したりしていることをご存じでしょうか? 木造は火事や地震に弱いという弱点がありますが、それらをどのように克服したのでしょう。フリーランスライターの小川裕夫さんが、林業を巡る歴史的背景とともに紹介します。


理論上は“14階”の木造建築が可能

 実際、木の壁・柱・梁・床などは火によって燃えますが、一定の厚みがあれば「炭化」という現象によって建物全体が燃えてしまうことはありません。また、木材の表面をあぶる加工処理や表面に防火塗料を塗布することで、防火性能を格段に高めることができるようにもなっています。

2020年12月に発表された「ウッドデザイン賞 2020」で最優秀賞を受賞した、日建設計などによる有明体操競技場(画像:国土緑化推進機構)

 一方、鉄は約500度の熱で溶けてしまいます。溶けて強度を失ってしまうと建物全体が焼失・倒壊してしまうのです。

 同様に、新技術や新工法によって耐震性も増しています。

 そうした技術の向上もあり、2014年には「14層」まで木造で建設することが理論上で可能になったのです。14階ではなく14層という表現はややこしいのですが、要するに15階建てのビルなら1階を鉄筋コンクリート造、2階から15階までを木造で建設することができるということです。

 あくまで法律をクリアできるという理論上の話で、施主・設計者が木造を採用するかの判断は別です。しかし、こうした耐火性・耐震性の向上が建築資材としての可能性を広げたことは間違いありません。

 そして、年を経るごとに建設業者は木でビルを建てることに意欲的になっています。その背景には、日本全土で建材として使える木が余っているという状況があります。

 かつての日本は山林大国で、現在も国土の約7割が山林に占められています。昭和30年代、戦災復興の一環で多くの山にスギの木が植林されました。これらは住宅需要の増加を見越した植林でしたが、スギの木が住宅用建材として使える大きさに生育するまでに約30年の歳月が必要です。

木造ならぬ「木質」建築とは?


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