本音は「出張先で泊まりたい」 ビジネスパーソン、大阪でも移動5時間の辛い現実

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本音は「出張先で泊まりたい」 ビジネスパーソン、大阪でも移動5時間の辛い現実

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米宿泊予約サイト「Hotels.com」が行った意識調査で、日本国内で出張する人の63%が日帰り出張を避け、延泊したいと考えていることが分かりました。いったいなぜでしょうか。

「仕事の後のお楽しみ」で、モチベーション向上

 働き方改革の波は、出張の在り方にまで及びそうです。

ビジネスパーソンにとって出張は大切な業務のひとつ(画像:写真AC)



 米宿泊予約サイト「Hotels.com(ホテルズドットコム)」が日本全国の20歳から65歳までの働く男女に対して行った意識調査で、国内を出張する人の63%が日帰り出張を避け、延泊したいと考えていることが分かりました。

「東京で働くビジネスパーソンが大阪へ出張する場合、移動時間は最短でも片道2時間30分です。往復だと5時間ですから、身体的にかなり負担になります。このようなことからも、63%の人が日帰り出張を避けたいと望んでいると考えられます」(ホテルズドットコム広報事務局)

移動時間も身体的な負担になる(画像:写真AC)

 日本でも柔軟な働き方が少しずつ浸透しつつある一方、ワークライフバランスの実現に向けて、まだ多くの課題が残されているようです。同事務局では、出張時に前泊・後泊するなどして、個人の時間を楽しむことで、仕事をより生産的に行えると話します。

「前泊の場合、前日きちんと休養をとることができ、朝から身も心もすっきりした状態で仕事に臨むことができます。これは、より高いアウトプットを出すことや生産性の向上につながります。また、前日の夜にご当地グルメなどを楽しむことによって、リフレッシュ・リラックスすることもできます。

 後泊の場合は『仕事の後のお楽しみ』があるため、モチベーションが上がり、より意欲的で、メリハリの効いた生産性のあるに仕事を行うことにつながります。たとえば出張の後に、観光を組み込んだり、サッカー好きの人なら出張の後にサッカーの試合観戦を組み込んだりといった感じです。またミーティングを終えて、新幹線などのなかで仕事を行うよりも、ホテルの部屋やロビー、ビジネスセンターなどの方が落ち着いて仕事を進めることができます」

自費でも、57%が「延泊をしたい」

 海外では出張のついでに有給休暇を加えるなどして休暇を楽しむ「ブレジャー」が一般的です。その考えはなぜ日本に根付かないのでしょうか。

前泊すれば朝から身も心もすっきりした状態で仕事に臨める(画像:写真AC)



「出張経費の削減で、宿泊費が出なかったり上限があったりする企業が増えたからです。そのほかにも、上司や同僚などの目が気になる、出張前後で遊んでいると思われるのが嫌だ、オフィスにいないと不安になるといった国民性によるものだと考えられます」(ホテルズドットコム広報事務局)

前泊・後泊を気軽にできる社会になれば、出張先でも楽しめる(画像:写真AC)

 今回の調査では、57%の人が「自費でも延泊をしたい」と回答しています。この結果は、出張先でも休憩とプライベート時間の確保が重要であることを示しています。これは東京のビジネスパーソンにとっても同様のことが言えるでしょう。

「柔軟なワークスタイルの推進や出張のなかに『余暇の要素』を取り入れて、社員の幸せや満足度を向上させることが、会社全体の利益向上につながるという発想を浸透させる必要があります」(ホテルズドットコム広報事務局)

 ビジネス成果と社員の幸せな働き方を両立するためには、出張経費の増加という短期目線でなく、会社の成長への投資という発想が求められるようです。

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