いじめ加害者はなぜ「覚えていない」のか? 話題の芸人ドキュメンタリー映画が示唆するもの

大人になってもふとした瞬間に思い出してしまう、学生時代のいじめやスクールカーストの苦い思い出。しかし、いじめた側の当人はそんなことを全く覚えていない、というエピソードもしばしば耳にします。果たして記憶を書き換えたのは相手か、それとも自分か――? その問いにひとつの示唆を与えるドキュメンタリー作品があります。制作したのは吉本興業所属のお笑い芸人。ライターの堀越愛さんが解説します。


食い違う証言はミステリーさながら

 メンバーは複数の女子生徒と関係を持っていたというウワサもあった、いわゆる“一軍”と呼ばれる存在。スクールカーストの頂点に立つ彼らでしたが、あることをきっかけにその存在は“無きもの”とされました。

 そして、エレパレ誕生から約10年……17期生へのインタビューを軸に、エレパレに内包された“それぞれの真実”がひも解かれていきます。

映画『ザ・エレクトリカルパレーズ』冒頭のスクリーンショット。再生回数は2021年1月17日12時現在で83万回を超え、視聴者から多くの「高評価」が寄せられている(画像:ニューヨーク Official Channel)

 この映画の見どころのひとつは、「人により食い違う証言」です。

 多くの関係者が出演しますが、ある人はエレパレを忌み嫌い、ある人は愛おしい青春として語ります。

「エレパレとはなにか」と問われたら、それぞれに違う真実があり、明確な定義はありません。エレパレの内側にいた人・外から見ていた人で食い違いがあるのはもちろん、メンバー同士ですら、抱いていた印象や思い入れが違うのです。

 ただひとつ確かなのは、全員が(おそらく)自分にとっての「真実」を語っていること。それにも関わらず食い違いが生まれる様子は、ミステリー作品のような緊迫感があります。「東京NSCの17期生」というとても狭いコミュニティーの話に見えますが、集団生活を経験したことのある人であれば、誰もが“何かを感じる”映画です。

『ザ・エレクトリカルパレーズ』と併せて見たい映像があります。それは、映画のエピソード0として1か月ほど後に公開された、『ラフレクラン西村の人間味あふれるエレパレ前日譚』。

 本編の重要人物であるラフレクランのふたりをゲストに呼んだトークライブの様子ですが、筆者は、この映像を見てゾッとしました。

 ネタバレになるため細かいことは言えませんが、ラフレクラン西村氏に対する印象が、本編とこの前日譚(たん)とでは大きく異なるのです。

語り手によって、人物像は大きく変わる


【画像】作品の重要人物? 出演した芸人たち

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