東京生まれ東京育ちは、本当に「うらやましい」のか?【連載】記憶の路上を歩く(4)

東京に生まれて東京に育つとは、一体どういうことなのか。変わり続ける「故郷」への思いは、寂寥感と心地よさとが表裏一体のようだと、編集者の影山裕樹さんは語ります。


生まれても育っても、皆よそものの街

 ずっと東京に暮らしていても、引っ越して地域との縁が切れればまったく他人の街になってしまう。故郷があるようでない、東京生まれ東京育ち民あるある。

 しかし、ふと思うのは、関東大震災や戦災で何度もリセットされた東京の街並みにあって、50年も経てばみんなよそものだよね、ということ。

 50年経つとそこで暮らす人がほとんど総入れ替えになるじゃないですか。時代が変われば、常識も変わる。もちろん先祖の記憶や偉人のモニュメントはその土地に残るが、それを眼差す人が変わればまったく違う街と言っていい。もうここは、令和の江古田なんだ。

 万引きを見て見ないふりしてくれたとなりのお兄さんの店もそこにはもうなく、毎晩集会していた野良猫たちも全員代替わりしている。暮らしている人も変わるのだから、そりゃあ25年も経てば見知らぬ土地。特に東京は商業施設も住宅も代替わりが早い。

 そこに帰ってきたという安心感もなく、つながりも薄く、故郷を感じることはまったくできませんでした。このように、僕みたいな「漂流都民」も実は多いのではないでしょうか。

 中野サンモールにかつてオウム真理教が出していた飲食店があって、チラシを配っていたのですがそれを見て同級生とひっくり返りました。江古田の自宅の前には麻原彰晃の選挙カーが「しょうこうしょうこう……」って叫びながら走っていました。

 情報番組『ズームイン朝』で毎朝、ウィッキーさんが天気をお送りしてくださっていたのが地元民が誇るあの哲学堂(中野区松が丘)だってこと知っている人、いまどれくらいいますかね?

背中合わせの「寂寥感」と「心地よさ」


【画像】懐かしい「東京」の原風景(3枚)

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