庶民的で親しみが湧く! 都内にある「ミニミニ大使館」の数々
2021年1月12日
知る!TOKYO豪華な洋館からマンションの一室まで、東京都内にはさまざまな大使館が存在しています。フリーライターの大居候さんが解説します。
小さな大使館に感じる親しみ
中でも、びっくりする場所にあるのがモルドバ共和国大使館(新宿区榎町)です。

モルドバは旧ソ連から独立したルーマニアとウクライナに挟まれた小国で、その中に旧ソ連からの独立に反対した人々による沿ドニエストル共和国という国があることでも知られています。
大使館のある新宿区榎町は、東西線の早稲田駅と神楽坂駅の間の庶民的な住宅地エリア。並びには庶民の味方として支持を集める「業務スーパー」もあります。業務スーパーのすぐそばに、国旗が翻っており、なかなか味のある風景です。
モルドバフェアというイベントが2018年、日暮里駅前で開催されたことがあります。モルドバのワインや食べ物が一堂に会するという興味深いイベントで、足を運んだ人は皆モルドバのファンになったといいます。なにしろ、大使館後援のイベントにもかかわらず、その看板は模造紙に手書きと、手作り感がすごかったからです。
立派な建物を誇る大使館も確かに素敵ですが、個人的には小さな建物や一室で細々と運営しているような国に親しみを感じます。
もし自分が大使館の大家になったら……
もし自分の所有する物件が大使館に借りられたら、少々誇らしげな気分になりますが、覚悟も同等に必要となります。その理由は、大使館の特殊性です。

外交官は赴任国で逮捕されないなど、外交官特権を持っていることはよく知られていますが、館内の敷地でも同様です。国際法上、大使館や公館は絶対的に不可侵であるとされており、大使館の設置されている国の警察も立ち入ることはできません(車の中なども同様です)。
つまり大使館が借主となった場合、なにか問題があっても大家が立ち入ることが困難になってしまうわけです。
さらに政情不安な国の場合、家賃が払われない可能性もあります。かつてソ連軍の侵攻を受けたアフガニスタンでは、ソ連軍が撤退した後に内戦が激化したことから、政府が海外の大使館へ経費を送ることができなくなった歴史があります。
当初はスタッフ削減などでやりくりしていましたが、それでも家賃や経費が賄えなくなり、大使館員がアルバイトをして経費を賄っていたこともあったといいます。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画