『鬼滅』よりすごかった? 新宿を包んだ90年代「エヴァ」の衝撃、誰もが批評家だった当時を振り返る

来る1月23日に公開される『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。同シリーズの歴史などについて、フリーライターの出島造さんが解説します。


作品に寄せられた多くの考察

 ここから、今も記憶される文化人による考察も盛り上がります。

 その最初は、精神科医の香山リカさんが月刊誌『BIG tomorrow』(青春出版社)1996年9月号の連載で2ページにわたってつづったものです。ここで香山さんは、敵と戦わずに自分自身の心と戦うことが多い主人公・碇シンジたちに着目し、回避性人格の観点から論じています。

 なお、エヴァンゲリオンの考察本といえば、兜木励悟(かぶとぎ れいご)さんの『エヴァンゲリオン研究序説』(ベストセラーズ、1997年)や、大泉実成(おおいずみ みつなり)さんの編んだ『庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン』(太田出版、1997年)などが知られています。

1997年に発売された『エヴァンゲリオン研究序説』(画像:ベストセラーズ)

 そして出版バブルとなり、硬派な社会科学系出版社の三一書房(千代田区神田神保町)さえもが『新世紀エヴァンゲリオン完全攻略読本』を出版したり、雑誌やムックで解説本の解説の記事が掲載されたりする、錯乱した状況も生まれました。

 このような状況が生まれたのは、文化人が多く言及したことで、作品について広く語れる余地が認知されたためです。

 さらにテレビアニメから劇場版へと、謎はどう解き明かされるのか、登場人物たちの運命はどうなるのかと目を離せなかったにもかかわらず、ラストが「なんだ、これは……」という内容だったことも原因です。そして「おめでとうとか、気持ち悪いとか言ってる場合じゃない。この感情をどうしてくれるんだ」というファンの気持ちが考察を熱心にさせ、ブームを盛り上げたのです。

 シンジが自問自答をしているのはいいが、熱心に見ていたファンのほうはどうすればいいのだ……というわけで、そうした感情を敏感に感じ取ったメディアは、「壮大な自爆アニメ」(『週刊プレイボーイ』1997年4月8日号)といった評価を下しています。

エヴァンゲリオンの本当のすごさとは


【画像】ふりかけからネクタイまで! エヴァ「最新コラボグッズ」を見る

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_08-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_09-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_10-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_11-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_12-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_13-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_14-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/01/210106_eva_04-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画