東京に「子育てに安心なエリア」など本当に存在するのだろうか

住人の学力や収入をベースに語られがちな「子育てして安心なエリア」。しかしそれは本当でしょうか。フリーライターの小西マリアさんが解説します。


キーワードは「モザイク状態」

 例えば、葛飾区の金町一帯は激変したエリアといえるでしょう。

 もともと金町一帯は工場群とそこで働く人々、そして商店街という純然たる下町でしたが、工場移転後の再開発で東京理科大学(新宿区神楽坂)が葛飾キャンパス(葛飾区新宿)を設置。さらに周辺にマンション開発が進んだことで、そのエリアだけ新たな山の手のような空間を生み出しています。

東京理科大学の葛飾キャンパス(画像:(C)Google)

 これは極端な例ですが、23区には区内の教育格差が大きなエリアが当たり前に存在しています。例えば北区は、もともと工業地帯として発展した王子区と高級住宅地だった滝野川区が合併してできた区です。

 しかしいまだに王子駅をおおよその境界線にして、雰囲気の異なる町並みが広がっています。この差がそのまま教育レベルの差になっていることは知られています。また墨田区でも、江戸時代から発展してきた南部と明治以降に人口が増加した北部とでは、教育レベルに差があります。

 国勢調査は最終卒業学校も調査しています。これ基にすれば町別の大卒者の割合を知ることができます。ただ正確な統計は時間がかかるため、現時点で最新データは2010(平成22)年となっています。

 これによると北区は南部の大卒率が約20%、北部が約17%になります。ただ、単純に南部の学力が高く、北部が低いわけではありません。赤羽周辺は一般的な南部よりも大学進学率が高くなっており、さらに田端方面も約36%と特出しているエリアがあります。このようなことからも、実態としてはモザイク状態となっているのです。

 このモザイク状態がもっとも激しいのは大田区です。前述の通り学力調査では最下位の大田区ですが、区全体の大卒率は約23%となっており、杉並区の約33%、世田谷区の約28%より低くなっています。

 しかし大田区の高級住宅地・田園調布を見ると大卒率は約41%にも達しており、千束や南久が原のようなエリアは30%を超えています。同様の現象はほかの区でも起きていて、江東区は区全体の大卒率が約24%ですが、豊洲は約39%、有明は約42%となっています。

子育てエリアはミクロな目線が必要


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