浅草「かっぱ橋」老舗店の6代目が「100年使えるフライパン」を作った熱き、厚き理由

近年顕著なフライパンの「使い捨て文化」を憂い、100年選手の商品を作ろうと懸命になっているのが、かっぱ橋道具街にある飯田屋の6代目・飯田結太さんです。商い未来研究所代表で、小売流通専門誌「商業界」元編集長の笹井清範さんが解説します。


1年当たり250円、実はお得?

 見た目の特徴は、中心から放射線状に刻まれた数えきれないくらいの打ち目。まるで小判の茣蓙(ござ)目模様のようであり、晩年のゴッホの線描画法のようでもあります。極めてシンプルでありながら、民藝(げい)の父、柳宗悦(むねよし)が唱えた“用の美”すら感じさせるデザイン性により、2019年グッドデザイン賞を受けています。

 しかも、佐藤さんが1日がかりでひとつしかつくれないエバーグリルは、ひとつひとつが異なる表情を持つ、まさに一点もの。「在庫のエバーグリルをすべて見て、時間をかけて選んでくださるお客さまもいらっしゃいます」と飯田さん。

 価格は2万7500円(税込み)。「本当は300年でも使える耐久性がありますが、それを実証できるのが私に続く何代目になるかわかりませんから」と飯田さんは笑い、「100年は絶対に使い続けられます」と断言します。

 ならば、1年当たり250円。1年そこそこで寿命となるフッ素加工フライパンよりお得なのです。さらに、そこに使い手の思いや歴史というプライスレスな価値が次の世代につないでいけます。

飯田屋フライパン売り場に並ぶエバーグリル2種。窒化鉄製は3万3000円(税込み)。売り場に並ぶフライパンすべてに物語と特徴がある(画像:笹井清範)

 作り手であるフジノス、伝え手である飯田屋、両者の情熱と技術が結実した「エバーグリル」は発売開始から3年あまり。その評価は高まる一方で、料理を愛する人たちに支持され、次々と使い手の元へと旅立っています。

「永遠」を意味する「エバー」を商品名に冠する飯田屋オリジナル商品はその後、ピーラー、おろし金と開発が続き、いずれもヒット商品として料理をする多くの人に愛用されています。外出自粛が求められる年末年始、こうした一品を使って料理に臨めば、巣ごもりも楽しくなるでしょう。


【画像】エバーグリルを作った技術者・佐藤友昭さん

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