2020年の写真集『東京、コロナ禍。』 何度も見返してしまう「3月29日」の1枚とは

まもなく終わりを告げる2020年。新型コロナウイルス一色だった1年を、克明に記録した写真集があります。『東京、コロナ禍。』(柏書房)。この1冊が見る者に与える感情や感慨の意味について、ライターの屋敷直子さんが自身の記憶とともに解説します。


何度も見返してしまう「3月29日」の1枚

 初沢亜利氏が撮る写真は、時間を可視化してクリアに見えるいっぽうで、理解しようとすればするほど遠ざかっていくような、そして何かを問いかけられているような気がしてきます。

 それだけに、見るときの自分の状態によって、写真から受け取る印象が違ってくるのです。

 何度も何度も見てしまう写真があります。

 3月29日日曜日の上野公園の桜の写真。24日に東京オリンピック・パラリンピック延期が発表され、翌25日には週末の外出を控えるように都知事から要請が出されます。27日には国内の感染者数が1日の数としては最多を記録し、日々更新されていきました。

写真集『東京、コロナ禍。』から。「3月29日 日曜日の上野恩賜公園 前々日より桜並木が閉鎖された。」(画像:初沢亜利、柏書房)

 そんな地獄のはじまりのような週の週末、上野公園は桜並木が封鎖され、さらに雪が舞うほどの寒さ。例年ならば花見客でごった返す場所には、人ひとりおらずただ雪が降っている。2020年の東京を象徴しているような1枚です。

 この本を買った9月、初めて見たときは美しい写真だと思いました。

 その後、何度も見返すうちに、今年の3月に自分は何を考えていたのか、来年の3月はどうなっているのかと、桜から離れて写真の内容とは一見関係のないようなことを、自分の立ち位置の確認のようなことを、考えるようになりました。

コロナ禍を生きるとは、考え続けること


【画像】写真集『東京、コロナ禍。』を見る(計10枚)

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