人が消えた廃墟都市……話題の作品集『東京幻想』が暗示した「2021年の東京」とは

2020年12月25日

お出かけ
ULM編集部

コロナ禍の2020年初夏に発売され、大きな話題を呼んだ『東京幻想 作品集』。人が消えて廃墟と化した東京の街を描いたこの作品には、どのような思いが込められているのでしょう。作者に話を聞きました。


私たちの「破滅願望」が現実になったとき

 作品にはしばしば、「美しい」という感想が寄せられます。なぜ人は、廃墟化した東京を美しいと感じるのでしょうか。

「日常の中のしがらみや軋轢(あつれき)から、ほんのひととき解放されたい、自由になりたいという願望を、廃墟に投影するからではないでしょうか。破壊された世界に、ある種の快感のようなものを覚えるのかもしれません」

 普段私たちが身を置いている東京が、もしも突然壊れて崩れ落ちてしまったら? 「そんなふうに考えたことがある人はきっと僕だけではないでしょうし、僕自身は、これまで何度も何度も妄想してきました」。

銀座4丁目の交差点に立つ東京幻想さん。この場所を舞台にした大型の新作も近日公開予定(2020年12月17日、遠藤綾乃撮影)

 渋谷のスクランブル交差点から、銀座4丁目の目抜き通りから、いっさいの人がいなくなる場面を。経済活動が止まり、それにより空気は澄んで、力を取り戻した自然が人間の文明をやすやすと凌駕(りょうが)していく様を。

 コロナ禍、私たちのそんな“妄想”は半ば現実のものになりました。

それでも日々は続くし、人間はたくましい

 ただ、作品と現実とで大きく異なっていたこともあります。たとえコロナが地球全体を覆っても、私たちひとりひとりのミクロな生活は終わることなく、人々の日々はたんたんと続いていくということです。

「思うように外出できなくなって家に閉じこもった期間にも『おうち時間』という言葉が生まれて、ベランダにテントを張ってキャンプ気分を楽しんだりカフェのメニューを自作して再現したりする人たちが現れましたよね。人間って、やっぱりたくましいなと思いました」

何かを失ったときにしか見えないもの


【画像】「廃墟化した東京」の作品を見る(10枚)

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