古臭い男社会に一撃必殺! 80年代「オバタリアン」ブームの衝撃

かつて一世を風靡した漫画『オバタリアン』。同作ヒットの背景には女性の社会進出がありました。フリーライターの本間めい子さんが解説します。


蔑称とは真逆の、肯定的な言葉

『オバタリアン』が始まったのは1987年。当初は竹書房の隔月刊誌『フリテンくん』での連載でした。連載は瞬く間に好評となり、月刊誌『まんがくらぶ』など同社の各誌へと広がります。また単行本も飛ぶように売れ、100万部のベストセラーに。

 この作品の想定読者は当初、男性でした。ようは非常識な振る舞いをする中年女性をネタにすればウケるのではないかと思われていたようです。

 ところが、実際に作品を愛読していたのは女性でした。それも20代後半から40代の女性だったのです。とりわけ単行本は、それまで4コマ漫画誌など買ったこともなかった女性たちが買い求めていたと言います(『アビタン』1989年6月号)。

 当時は女性たちの社会進出が進んでいたものの、男性中心主義の幻想がまだ広く浸透していました。そうしたなか、漫画というフォーマットで社会常識やモラルを容易に吹き飛ばすオバタリアンを女性たちは痛快だと受け止めていたのです。

1980年代のイメージ(画像:写真AC)

 当時の女性たちの間で、オバタリアンは蔑称ではありませんでした。むしろ「私もオバタリアンだしさあ~」と自嘲気味に語る女性の方が多く、語り口の実態としては、生き生きと活動する自分自身を肯定的に表現していました。

 こうして、オバタリアンという言葉は世代を超えて浸透していきます。バラエティ番組『あっぱれさんま大先生』でも、先生役の明石家さんまさんに対して、態度の大きな子どもたちが「だって、私オバタリアンなんだもん」と答える場面さえあったのです。

 漫画で描かれたのは、無神経で人の迷惑を顧みない脚色された中年女性だったわけですが、世間におけるオバタリアンという言葉はより広い意味でとらえられていたのです。

新語・流行語大賞に選出


【画像】懐かしい! 漫画『オバタリアン』の表紙を見る(12枚)

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