福沢諭吉の野望が実現? いま 「バター」がかつてない注目を浴びている理由【連載】アタマで食べる東京フード(11)

味ではなく「情報」として、モノではなく「物語」として、ハラではなくアタマで食べる物として――そう、まるでファッションのように次々と消費される流行の食べ物「ファッションフード」。その言葉の提唱者である食文化研究家の畑中三応子さんが、東京ファッションフードが持つ、懐かしい味の今を巡ります。


バターの製法はとても身近

 ところでバターとは、牛乳から分離したクリームを強く攪拌(かくはん)して乳脂肪を取り出し、練り上げた食品。攪拌する工程をチャーニング、練る工程をワーキングと呼びます。製造は機械化されていますが、原理はバターが誕生した古代から変わらず、家でも手作りできます。

 生クリームを泡立てすぎて、脂肪分と水分が分離した経験がありませんか? 脂肪分のほうが、バターです。水分のほうは「バターミルク」と呼ばれ、欧米ではバック入りで販売されてパンケーキなどに利用しますが、日本では粉末化して業務用にまわされます。

牛乳から分離したクリームを強く攪拌して乳脂肪を取り出し、練り上げた食品がバター(画像:写真AC)

 牛乳からも作れます。脂肪球を均質化していないノンホモ牛乳を冷蔵庫で放置し、上に浮き上がったクリームを同じように攪拌するだけ。泡立てでなく、蓋付きの容器に入れて上下に激しく振ってもよいし、牛乳のままひたすら振り続けても、いつしか乳脂肪が分離します。

 1lの牛乳からできるバターは、だいたい35g。液体から固体への変化が面白いので、お子さんと一緒に実験すると大受けして、楽しい食育になると思います。

 このようにバターの製造法は非常に単純なので、原料の牛乳の品質がダイレクトに反映されやすい食品です。

 最近よく聞く名前に「グラスフェッドバター」があります。これは牧草飼育牛のミルクから作ったバターのこと。

 乳量と乳脂肪量を増やすため、日本では乳牛には穀物飼料を与えて飼育するのが一般的ですが、放牧で十分に運動させ、草を食べて育つ健康な牛のミルクには牧草由来のβカロテンが移り、バターも黄色みが強くなるのが特徴。通常のバターより不飽和脂肪酸の含有量が多いとされます。

牧草飼育の乳牛が人気に


【画像】フランス「最高級バター」を使ったスイーツを見る(2枚)

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