コロナ禍で変わるクリスマス商戦 百貨店・ショッピングモールが新たに仕掛ける「ネット販売」とは
2020年12月16日
お出かけコロナ禍で苦戦する百貨店やショッピングセンターが現在、ネット通販に力を入れています。具体的にはどのような取り組みなのでしょうか。都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。
生配信に挑戦するららぽーと
一方、三井不動産(中央区日本橋室町)と三井不動産商業マネジメント(同区日本橋浜町)が運営する、ららぽーとを始めとしたショッピングセンターが取り組むのは、動画配信による「ライブコマース」です。
ライブコマースとは、実店舗のスタッフやタレントなどのインフルエンサーが薦める商品を動画の生配信で紹介・販売するもので、いわばインターネットを使った生放送のテレビショッピングと言えます。

配信は12月14日から23日にかけて、三井不動産商業マネジメントが運営する首都圏のららぽーと各店やコレド室町テラス(同区日本橋室町)、ダイバーシティ東京プラザ(江東区青海)などからインターネット上のライブストリーミングサービス「Livekit」「TIG LIVE」を活用する形で実施。顧客からの質問に対してリアルタイムな回答も行われます。
コロナ後のビジネスモデル構築に向けて
このライブコマースの最も大きな特徴となるのが、さまざまな業種のテナントが参加するということです。
三井不動産商業マネジメントが運営する各施設は、イオンモールや百貨店とは異なり、決まった「核店舗」がある訳ではなく、施設ごとに全く異なったテナントが出店しています。
今回のライブコマースでは、そうしたショッピングセンターごとに異なるテナントの多様さを生かす形で、女性の支持を集める「AZUL BY MOUSSY(アズール バイ マウジー)」、スーツの「ORIHICA(オリヒカ)」、さらには若者に人気の「GAP」や「WEGO」などといった各種アパレル、化粧品の「ファンケル」、シューズの「ABC-MART」、さらには台湾の大手書店・雑貨店「誠品生活」など、販売品目の垣根を越えた店舗が参加。
配信される動画内で欲しいと思った商品がある場合は、動画内のリンクから三井ショッピングパーク(三井不動産商業マネジメントが運営するアウトレットモールの総称)の公式通販サイト「&mall」はもちろんのこと、実際に来店して商品を手に取り、確認して購入することもできます。

三井不動産商業マネジメントではこうしたライブコマースをまずは半年間試験導入して今後継続するかどうかを決めるとしており、年明けにも新たな店舗を加える形での配信が行われると見られます。
実店舗とネット通販の融合を図るべく、個性的な取り組みにより新たな形でのクリスマス商戦に挑むこととなった百貨店やショッピングセンターたち――いずれも実験的な試みですが、コロナ禍という逆風を逆手に取る形で成長を遂げ、コロナ後へとつなげることができるかどうかが注目されます。

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