今から60年前、東京タワーは完成直後「曲がっている」とうわさされたことがあった

今でも東京を象徴する東京タワー。そんな東京タワーにまつわる過去にうわさについて、フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。


完成後に流れたうわさ

 ところが東京タワーの完成から間もない1959(昭和34)年、東京でタワーが「曲がっている」といううわさが流れ始めたのです。それと同時に、東京タワーの周辺では『恨みの恨みの東京タワー』という歌が流行しているといううわさも。

『恨みの恨みの東京タワー』は誰も歌詞も知らなければ聞いたことすらない、それなのにタイトルだけは知られているという謎の歌でした。このえたいの知れないうわさの実態を調べた記事が、『週刊新潮』1959年12月14日号に掲載されていました。

東京タワーの展望台(画像:写真AC)

 うわさの元を訪ね歩いた記者がたどり着いたのが、東京タワー周辺の商店や町工場を相手に商売をしていたセールスマンでした。どうもこのセールスマンがまことしやかに、

・東京タワーは曲がっており、東北大学の工学部が研究し、学会がふたつに割れている
・タワーが建ってから『恨みの恨みの東京タワー』という歌が流行するくらい周辺で不吉なことが多い

といったような世間話を話していたようです。ようは世間話のネタとしての創作が、人の口から口へと伝わるうちに真実味を帯びていったのです。

外れた周辺住民のもくろみ

 しかし、そんなうわさが真実味を持つ下地がありました。現在の東京タワーは日本が豊かになった時代の象徴であり、ポジティブな面ばかりが語られます。しかし東京タワーの周辺住民には「アテが外れた」と思う人も多かったのです。

ライトアップされた東京タワー(画像:写真AC)

 当時のタワー周辺は住宅や商店街が広がっており、東京タワーが開業したら人通りが増えると考える商店もありました。

 しかし観光客が訪れるのは東京タワーだけ。観光バスはタワーの下に駐車し、浜松町駅から直接歩く人はあまりいません。おまけに、周辺の土地が値上がりすると踏んで買ったところさほど上がらず、借入金を返済できずに破産する人さえいました。

 えたいの知れないうわさが広がっていったのは、これまでの想像を超えた建築物だったからでしょう。東京タワーも地域のシンボルとして周囲に溶け込むには、結構時間がかかったのです。


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