ネガティブイメージから憧れの対象へ 「オタク」が市民権を勝ち取るまでの長く険しい平成30年史
2020年11月23日
ライフ今どき若い世代にとって「ヲタ活(ヲタク活動)」は当たり前。かつてネガティブなイメージが付きまとったオタクは、いかにして“市民権”を獲得したのでしょうか。ライターの星谷ななさんが平成から令和に至るオタクの30年史を振り返ります。
「好き」を表明するのは恥ずかしくない
平成の終わり頃から、テレビ番組などでタレント中川翔子さんや芸人ケンドーコバヤシさんなど一見オタクに見えない有名人が、それまでオタク的とされてきたアニメを面白おかしく、しかし真剣に語るようになりました。
彼らが紹介したアニメなどを知らなかった人たちもその面白さを発見、これをきっかけに“ディープなアニメ”を見ることに少しずつ抵抗がなくなった人も多くいます。

2005(平成17)年のユーキャン流行語大賞では「萌え~」がノミネート。オタク用語とされてきた単語が普段の会話でも使われるようになったことにより、世間の“オタクアレルギー”を和らげることにつながっていきました。
どんなジャンルであれ自分の「好き」を大声で言うことに恥ずかしさを感じる必要はないというムードが社会に醸成され、いわゆる「クラスで目立つ人」たちもまた「オタク」を公言するようになります。
2019年のコミケは4日間で73万人が来場、コミケ史上最高の来場者数を記録しました。これは、それまでオタクと公言できなかった人たちが自らをオタクと認められるようになったことを示す、ひとつの物差しと言えるかもしれません。
現在、オタク(ヲタク)はアニメや漫画だけにとどまらず、新大久保には韓国ドラマや韓流アイドルのオタクが、銀座や新宿の百貨店にはコスメオタクや美容オタクが集まるようになり、オタクの幅は格段に広がりました。
若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」などが2020年4~5月に行ったアンケート調査(15~24歳の女性8201人対象)では、実に67%の女性が「自分には『○○ヲタ』と言えるものがある」と回答しています。
オタクはすでに、若い世代を中心に十分な市民権を得ているのです。
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