インスタ映え間違いなし? 「君の名は。」聖地すぐそばに「見晴らしの良い坂」があった【連載】拝啓、坂の上から(6)

ビルばかりの東京都内にも見晴らしの良い坂がひっそりあるのをご存じでしょうか。今回は新宿区と大田区のふたつの坂について、フリーライターの立花加久さんが解説します。


人気アニメ映画の聖地も近く

 東福院坂の特徴は、坂上から坂下まで直線的に伸びきったその先が、そのまま四谷の総鎮守である須賀神社(新宿区須賀町)の男坂に行き着くという、大げさに言えば仏界から神界につながる「聖なる道」なのです。

 その形状はいったん下ってまた上がるという、都心では珍しいダイナミックな起伏に富んだすり鉢地形で、まさに「インスタ映え」する眺望です。

 ちなみにこの男坂、ご存じの人もいるかと思いますが、あの人気アニメ映画「君の名は。」の感動のラストシーンに登場した石段坂で、アニメの聖地として世界的にも知られています。

アニメ映画「君の名は。」のラストシーンに登場する「須賀神社」の男坂からの眺めも格別(画像:立花加久)

 なお「須賀神社」のご祭神は、宇迦能御魂命(うかのみたまのみこと)、いわゆるお稲荷さまと須佐之男命(すさのおのみこと)の二柱になります。

 須佐之男命といえば日本神話、八岐大蛇(やまたのおろち)退治の伝説に登場する勇ましい神様。その知恵と勇気から、除災招福(災いをはらい福を招く)のご神徳があるといわれています。お参りの際はぜひともコロナ退治を祈願したいところです。

 さて同社の始まりは1634(寛永11)年に赤坂一ツ木村にあった稲荷神社を、江戸城の外堀普請(ふしん。土木・建築工事)のため当地に遷座(神体などをよそへ移すこと)。続いて1637年、神田明神摂社に祭られていた須佐之男命とインドの神様である牛頭(ごず)天王が習合され、そのまま合祀(ごうし)されたことによります。

 これにより、江戸時代から1868年(明治元)年までの神仏分離まで「稲荷天王」「四谷牛頭天王社」と呼ばれていたため、この周辺のことをかつては「天王横丁」、そして坂も「天王坂」と呼ばれていたといいます。

 坂の周辺には江戸時代の盲目の国学者である、塙保己一(はなわ ほきいち)の墓がある愛染院(若葉)や、四谷怪談で有名な四谷於岩稲荷田宮神社(左門町)など、多くの寺社が立ち並び歴史散歩も楽しめます。

池上本門寺近くにも美しい坂が


【画像】大田区池上にある「汐見坂」を見る

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