『鬼滅の刃』も大ヒット 社会が暗いと「大正時代がはやる」は本当か

映画版も興行収入100億円を突破し、現在話題となっている『鬼滅の刃』。その時代設定は大正時代です。ルポライターの昼間たかしさんは「暗い時代になると大正時代がはやる」と言います。いったいなぜでしょうか。


1970年代半ばに起きた大正ブーム

 大正ブームにはある特徴があります。それは、社会が暗くなったときに盛り上がるということです。中でも、大正時代に憧れる人が増えたのは1970年代半ばでした。

 この頃は漫画家・大和和紀さんの『はいからさんが通る』が連載、テレビアニメ化。さらに画家・竹久夢二(1884~1934年)の再評価が高まり、展覧会が盛況となりました。

大正時代の女学生の恋を描いた漫画『はいからさんが通る』(画像:講談社)

 作品だけでなく東京の街に目を向けると、アンティークがこの時期はやり、オールドファッションやカメラ、時計などを買い求める若者が増加しました。

 原宿周辺ではアンティークを取り扱うお店が見る見るうちに増え、耳を隠したヘアスタイルやくるぶしまでのロングスカートというファッションが、女性の間で人気を集めていたのです。また、竹久夢二の人気は若者にまで広がっていました(『週刊ポスト』1974年5月17日号)。

 ブームで象徴的なのは、当時の広告ポスターです。サントリーの前身である寿屋は1923(大正12)年に日本史上初めて女性のセミヌードを使った「赤玉ポートワイン」のポスターを制作しました。

 このポスターは、大正時代の社会風俗の変化を象徴するものとして紹介されることが多く、写真撮影後に1年かけて、セピア調の写真にワインだけ赤色で印刷する技術を開発した逸話も知られています。

 1970年代半ば、サントリーではこのイメージを再び使い、セピア調の写真にボトルキャップの赤が浮かび上がるポスターを制作しています。これに限らず1970年代半ばは、懐古趣味の広告ポスターが流行していました(ちなみに当時はまだレトロという言葉が一般的ではありませんでした)。

「古き良き時代」にすがりたい現代


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