2.5次元ブームでさらに加速 都内で「ミュージカル専用劇場」が増えているワケ

近年相次ぐ都内のホール・劇場のニューオープン。その背景には一体何があるのでしょうか。文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。


注目を浴びるミュージカル専用劇場

 近年、都心の繁華街エリアでは都市のプレゼンス(存在感)を上げるために、改めて都市機能を見直し、それに伴う都市開発を推進しました。興味深いことに、どのエリアでもエンターテインメントシティーを掲げており、いずれもホール・劇場などライブエンターテインメント機能を充実する方向性をうたっています。

千代田区大手町にある大手町三井ホール(画像:三井物産、三井不動産)

 現代のアーバンツーリズム(都市観光)においてはエンターテインメントの提供が不可欠ということなのでしょう。東京オリンピック・パラリンピック前のオープンを念頭に、都心ではさまざまな大型複合施設開発が進行し、それにつれてホール・劇場開発もあちらこちらで一気に進展したと言えます。

 開発を後押ししたのはインバウンドの急増もあります。インバウンド(訪日外国人)は2019年までは増加の一途で、2019年は3188万人と過去最高を更新しています。

 中国、韓国、香港、台湾などのアジア圏からはFIT(海外個人旅行)やリピーターが増え、今はショッピングからコト消費(レジャーやサービスにお金を使うこと)への転換時期と言われています。

 元々わが国では都市部でのナイトレジャーが不足しており、新たなエンターテインメントが希求されていました。インバウンドはノンバーバル(非言語)なコンテンツが適していますが、翻訳機を導入する施設も見られ、また、言葉は理解できなくても日本的な雰囲気を楽しむ人もいるようです。

 現在は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によってインバウンド市場も消滅した状況ですが、コロナ収束後はアジア圏を中心にインバウンドの早い時期の回復が期待されます。

 ホール・劇場増加の要因には国内のライブエンターテインメント市場の成熟・拡大も挙げられます。

 音楽市場の拡大もありますが、ミュージカル人気が注目されるところです。ミュージカルはストレートプレイ(音楽などのない劇・芝居)と比較して、シンプルでドラマチックな内容が多く、幅広い層が楽しめる作品が多い特徴があります。近年は井上芳雄さん、山崎育三郎さん、浦井健治さんなど人気男優が多く輩出され、若い女性ファンが増えていることも特筆されます。

 人気ミュージカル俳優がTVドラマなどに起用されてブレークすることも少なくありません。そのため、ミュージカルに興味を持つ人が今後も増えていくことが期待されます。

 原作のミュージカルも増えており、より若い世代に訴求するようになっていると言えるでしょう、2016年には帝国劇場で初のマンガ原作のミュージカル「王家の紋章」を浦井健治さん主演で上演し、大きな反響がありました。2021年には「王家の紋章」が再上演予定です。近年はミュージカル専用、もしくはミュージカルを多く上演する劇場が増えています。

「Go Toイベント」が追い風になるか


【アンケート】行ってみたい芸術鑑賞、「ミュージカル・舞台」はいったい何位?

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