2009年の開設から約30組が卒業 台東区運営の創業支援施設「浅草ものづくり工房」をご存じですか

台東区の地場産業として知られる皮革製品。そんな皮革製品の職人たちをサポートする施設が、浅草駅から約2kmの場所にあります。都市探検家の黒沢永紀さんが解説します。


ものづくり工房のさまざまな特徴

 そんなものこぼには、いろいろな特徴があります。

 まず、皮革製品を加工するための特殊な機器がそろえられていること。例えば服地の縫製であれば、家庭用のミシンでもこと足りますが、皮革の縫製には専用のミシンが必要となります。

ものづくり工房にそろえられている皮革専用のミシン(画像:黒沢永紀)

 実は、この皮革専用のミシンはとても高価なもので、個人ではなかなか手が出せません。しかし、ものこぼには皮革専用ミシンをはじめ、皮革製品の製造に必要な機器が常備されています。しかも、ものこぼから独立した後も、いつでも使用可能というのはうれしい話です。

製品の売り込み方法や独立意識も伝授

 こういったハード面のサポートとは別に、ソフト面のサポートも充実しているのもまた、ものこぼの特徴です。皮革製品を含む職人の世界では、いまでも古い習慣が残り、「下請けの職人」という意識がなかなか抜けないといいます。ものこぼでは、この古い習慣を捨て、製品の売り込み方法や独立の意識を伝授しています。

「下請けの職人ではなく、他にはない独自の技術を提供できる職人です、と伝えることが大事」と話すのは、ものこぼの支援を行うインキュベーション・マネジャーの島田浩司さん。島田さんは、大手アパレルメーカーのワールドご出身。ワールドでは新規事業開発に携わり、また退社後には事業開発の研究所を設立。ファッション業界を中心に新しいビジネスモデルを創造するプロデューサーです。

「自分たちをどう伝えて売り込んでいくか。独立の意欲とそのノウハウを教えることが、ものこぼの最大のウリです」と島田さんは熱く語ります。

 加えて月例のセミナーもあり、マーケティングの専門家や、伝説のアパレルメーカー「VAN」の創業メンバーを招聘(しょうへい)するなどして、職人魂と商売を連携させるハウツーを学べます。

 さらに台東区には靴職人の養成学校もあり、それらの卒業生がより短期間で効率よく独立できる道筋を作るのも、ものこぼの役割といえるでしょう。

 2009年の開設以来、約30組が卒業し、その半数以上が区内に定着しているといいます。「皮革関連の仕事をする場合、素材も機械もここにあるので、区内の定着率が高くなるのでしょう」と島田さんはいいます。

工房はどのようになっているのか


【地図】「浅草ものづくり工房」の場所を見る

画像ギャラリー

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