消えゆく東京の「昭和団地」 避けられぬ老朽化、練馬・石神井公園でも解体作業が始まる

昭和の高度経済成長期に建設された東京の団地が、老朽化などにより次々と姿を消しています。2020年10月27日(火)には、練馬区の石神井公園団地で「団地お別れイベント」が開かれました。フリーランスライターの小川裕夫さんがリポートします。


生粋の団地っ子を生んだ「石神井愛」

 石神井公園の南側に立つ同団地は、西武鉄道池袋線の石神井公園駅から徒歩25分、新宿線の上石神井駅から徒歩12分の距離にあります。

 自然が豊かな地に立つ同団地は、敷地面積が約5.3haで、敷地内には5階建ての住棟が九つ。総戸数は490で、当時としては比較的に小規模な団地です。

 石神井公園団地は日本住宅公団(現・UR都市機構)が手がけた団地ですが、それまで住宅公団が手がけてきた団地から脱却し、新たな取り組みが試行されています。

 これまで住宅公団は、標準住棟を並行配置して団地をつくってきました。他方、石神井公園団地では雁行(がんこう)型と呼ばれる、住棟をジグザグに配置する手法が採用されています。

雁行型と呼ばれる住棟配置が特徴的だった石神井公園団地(画像:小川裕夫)

 雁行型の石神井公園団地は、計画案A案からR案まで18案も作成されるなど、入念に準備が進められました。

 また、当時の石神井公園一帯は、下水道が未整備でした。そのため、石神井公園団地は団地独自の下水処理施設を設け、そこで下水を処理していました。下水道が整備された現在、石神井公園団地の下水処理施設は公園へと姿を変え、団地外の住民にも広く利用されています。

 住宅公団が英知を結集して新しい住棟・団地をつくろうとしただけあり、石神井公園団地の応募倍率は平均12.7倍にも及びました。

 また、団地で育ち、大人になってから石神井公園団地の別の部屋へと入居する、生粋(きっすい)の石神井公園団地っ子もいたほどです。それほど、石神井公園団地は住民から愛されていました。

 団地住民のコミュニティーは濃く、35年も続けられた夏祭りは毎年盛況を博しました。

エレベーター未設置、高齢化に打撃


【画像】解体される「給水塔」と、団地お別れイベント

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