戦国時代、東京都内で唯一「城攻め」が行われた場所が八王子にあった
2020年10月26日
知る!TOKYO関西地方や中部地方のイメージが強い戦国時代の合戦ですが、現在の東京都内で唯一、壮絶な城攻めが行われた地があります。八王子城です。同城の魅力について、旅行ジャーナリストの内田宗治さんが解説します。
次々と現れる曲輪
八王子城の構造を見ておきましょう。
本丸は標高446mの城山山頂に造られ、そこから標高差で約180m下の山裾に、御主殿(ごしゅでん)と呼ばれた北条氏照の居館など、その東側に小規模な城下町が広がっていました。

本丸へは現在も登ることができます。攻め手の気持ちになって、この山道を登ってみましょう。
すると、守備隊が待ち伏せする曲輪(土塁などで囲って造られた平らな土地)が次々に現れます。
最初に出会うのが、尾根をひな壇状に造成した金子曲輪です。不用意に登っていくと、すぐさまここで鉄砲や弓矢で撃たれてしまいそうです。
たった1日で攻め落とされた
さらに山道を登った先には、両側に小宮曲輪と松木曲輪が待ち受けています。ここでも敵は頭上から襲いかかってきます。この両曲輪は各方面からの尾根が集まる地形を利用して造られていて、城を守る側は互いに移動しやすい利点があります。
現代の私たちは、この松木曲輪で休憩するのがいいでしょう。尾根線にあるだけに都心方面の展望が開けています。

そのすぐ上が本丸のあった頂上です。狭い平地なので、天守閣などはなかったと考えられています。
こうして鉄壁の備えを誇った八王子城ですが、たった1日で攻め落とされてしまいました。
1590(天正18)年7月24日、前述の秀吉配下の攻城軍は1万5000人の大軍で押し寄せたと言われます。城下の町に火をかけ本丸へと攻め登ります。この時城主の北条氏照は不在。城内の兵士はわずかでした。多勢に無勢で1日も持ちこたえられなかったのです。

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