「治安が悪い」は本当か? 280円デカ盛り弁当とネオンきらめく街の実態 葛飾区・新小岩駅周辺【連載】東京商店街リサーチ(5)
2020年10月11日
知る!TOKYO新小岩と言えば、ひと昔前までは「人身事故の多発駅」「23区でも有数の治安の悪い街」といった不名誉なイメージが付いて回る土地でした。ところが、近頃は不動産会社の「住みたい街ランキング」に名前が挙がるなど、明らかに印象が変わってきているようです。フリーライターの荒井禎雄さんが案内します。
生鮮品も日用品もそろう商店街
こうして昭和40年代になって駅周辺の地名が新小岩に改められ、今の新小岩という街ができ上がりました。東京23区内では新参と呼んでいい新しい街ですが、現在では総武線の快速が停まるなど、名称の元になった小岩と比較しても負けず劣らずな交通の要所 兼 繁華街として成長したのです。
●新小岩の商店街とその特徴
新小岩駅周辺の街の造りは分かりやすく、アーケード商店街「ルミエール」のある南口が中心的な商業地区になっています。
北側の商店街(飲食店街)は規模が小さく、これは歴史的に北口側が工場地帯だったことと、今では蔵前橋通りが通っているため、商業地区を広げられなかったという理由がありそうです。
ただし、蔵前橋通り沿いは商店街ではなくロードサイド文化が発達しており、レンタカーや中古車センター、大箱のレストランなどが点在しています。
○南口の商店街について
南口は駅前ロータリーから伸びるルミエール商店街が人々の動線の軸になっているものの、そこと交差する一番通り・仲通りにも多数の商店や飲食店があり、江戸川区との区境に至るまで商業地区が広がっています。

この地区の商店街全体の特徴としては、非常に幅広い業種が維持できていることで、飲食店や生鮮品(鮮魚店・青果店)のほかに、お茶・本・靴・各種洋服・カバンや服飾品のお店など、生活に必要な日用品は大体そろえられます。
ルミエール内はチェーン店も目立ちますが、ローカル色の強いお店や純然たる個人店も多く生き残っており、独自の町並みを守れていると言えます。
こうした点から、新小岩にはちゃんと生きている商店街があると評価できるでしょう。

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